がん「標準治療」、2014年の実施率は73%でほぼ横ばい

文:がん+編集部

 2014年に全国の病院でがんと診断された患者さんのうち、標準治療を受けた患者さんは73%だったとわかりました。2013年の実施率72%と比べると、ほぼ横ばいでした。

乳がん再発高リスクに対する乳房切除術後の術後放射線療法の実施率は低下

 国立がん研究センターは8月2日、2014年に全国の病院でがんと診断された患者さんのうち、胃がん乳がんなどに関する9項目について「標準治療」を受けた患者さんは73%だったと発表しました。標準治療とは、科学的根拠に基づき、医学的に最も推奨される治療のことです。

 この調査は、2014年に全国424施設でがんと診断された患者さん約56万人を対象におこなわれました。また、69施設から標準診療を実施しなかった理由の回答を収集し、集計しました。標準的診療を実施しなかった理由の中でも、腎機能障害や肝機能障害などで抗がん剤が使用できなかった、患者さんからの希望があった、などの妥当な理由があったものについては標準診療が実施されたものとして、実施率を再計算しました。

画像はリリースより

 調査の結果、2014年の標準治療実施率は全体で73%でした。2013年の実施率72%と比べると、ほぼ横ばいだったことがわかります。その中でも、標準治療の項目ごとに差がみられました。実施率が上昇した項目のひとつに、吐き気を抑制する薬剤の使用があり、2013年の実施率74.0%から76.3%に上昇したそうです。

 また、標準治療を実施しなかった理由が妥当なものを考慮すると、9項目中6項目で適切な実施率が90%以上という結果でした。しかし、乳がんの再発リスクが高い患者さんに対する乳房切除術後に行う放射線療法の実施率は2013年より低く、標準治療を実施しなかった理由が妥当なものを考慮した場合でも、2013年の71.1%から2014年では66.6%に低下しました。

 標準診療を実施するかどうかは、ステージや全身状態だけではなく、さまざまな要素により判断されます。そのため、国立がん研究センターは「結果についての解釈には注意を払う必要があります」とコメントしています。今後は、標準治療を実施しなかった理由を詳細に調査するとしています。

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