オプジーボ、悪性黒色腫の根治切除後の術後補助療法として欧州で承認

2018/08/22

文:がん+編集部

 リンパ節転移を伴うまたは転移性悪性黒色腫の成人患者さんの根治切除後の術後補助療法として、オプジーボが欧州委員会(EC)に承認されました。日本での適応拡大が期待されます。

ヤーボイより、オプジーボの再発リスク35%軽減

 米ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は7月31日、免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ(製品名:オプジーボ)について、リンパ節転移を伴うまたは転移性悪性黒色腫の成人患者さんの根治切除後の術後補助療法として欧州委員会(EC)に承認されたことを発表しました。

 今回の承認は、第3相臨床試験CheckMate-238試験の結果に基づくものです。この試験は、根治切除後のステージIIIB/CまたはステージIVの悪性黒色腫の患者さんを対象に、ニボルマブとイピリムマブ(製品名:ヤーボイ)を比較評価した進行中の第3相臨床試験です。試験の結果、ニボルマブはイピリムマブと比較して再発リスクを35%軽減したそうです。また、ニボルマブによる術後補助療法の忍容性※1は良好でした。

 悪性黒色腫(メラノーマ)は、腫瘍の大きさや厚さ、リンパ節やその他の部位への転移があるかどうか、その他増殖速度などの特性に基づいて、0~IVの5つのステージに分類されます。ステージIIIの悪性黒色腫では、原発腫瘍と所属リンパ節の外科的切除を行い、患者さんの一部では術後補助療法が行われる場合があります。しかし、多くの患者さんが再発し、転移性疾患へと進行します。ステージIIIBの患者さんの68%、IIIC患者さんの89%が、5年以内に再発するとされています。

 ニボルマブは、リンパ節転移を伴うまたは転移性悪性黒色腫の根治切除後の患者さんの術後補助療法として米国食品医薬品局(FDA)でも承認されており、日本での適応拡大が期待されます。

※1 薬による有害事象副作用)に、どのくらい耐えられるかの程度を認容性といい、有害事象に十分耐えられるときは「忍容性が高い」、耐えられないときは「忍容性が低い」と表現されます。