BRAF遺伝子変異のある転移性大腸がんの治療薬が米FDAのブレイクスルーセラピーに指定

文:がん+編集部

 米国でのみ承認されている薬剤「エンコラフェニブ」と「ビニメチニブ」と、アービタックスの3剤併用療法が、BRAFV600E遺伝子変異のある転移性大腸がんの治療薬として米FDAのブレイクスルーセラピーに指定されました。

エンコラフェニブ・ビニメチニブ・アービタックスの3剤併用療法

 米アレイバイオファーマ社は8月7日、エンコラフェニブ(米国製品名:BRAFTOVI)とビニメチニブ(米国製品名:MEKTOVI)とセツキシマブ(製品名:アービタックス)の3剤併用療法について、BRAFV600E遺伝子変異陽性の転移性大腸がんの治療薬として米FDAのブレイクスルーセラピーに指定されたことを発表しました。ブレイクスルーセラピーとは、命にかかわる疾患に関する薬の開発や審査の促進を目的としたFDAの制度です。

 BRAFV600E遺伝子変異陽性の転移性大腸がん患者さんは、遺伝子変異のない転移性大腸がん患者さんと比較して、死亡リスクが2倍以上高く、現在、有効な治療法がありません。

 今回の指定は、進行中の第3相臨床試験BEACON CRC試験の結果によるものです。3剤併用療法を受けた患者さんの無増悪生存期間(PFS)※1の中央値は8か月で、1回の前治療を受けた患者さんと2回の前治療を受けた患者さんとでは同等のものだったそうです。忍容性※2は、良好だったとしています。

 エンコラフェニブとビニメチニブは、現在、米国以外の国では承認されていません。BRAFV600E遺伝子変異陽性の転移性大腸がんを対象としたエンコラフェニブとビニメチニブとセツキシマブの3剤併用療法は、現在治験の段階です。今後、この3剤併用療法の開発が順調に進み、米国で承認された場合、日本での承認も期待されます。

※1 奏効例(完全または30%の部分消失)で治療中にがんが進行せず安定した状態の期間のことです。
※2 薬による有害事象(副作用)に、どのくらい耐えられるかの程度を認容性といい、有害事象に十分耐えられるときは「忍容性が高い」、耐えられないときは「忍容性が低い」と表現されます。