乳がんマンモ検査 AIによる画像スクリーニング技術開発で共同研究

文:がん+編集部

 乳がん検診で行われるマンモグラフィ検査の画像診断をより正確にするAIを使った技術開発が進められています。毎年数千例が乳がんを見逃され、そのうち約30%が検査の間に進行するという報告もあり、乳がんを見逃さない検診の確立が求められています。

AIによる乳がん診断、東京慈恵会医科大学附属病院とDeepMindが共同で

  東京慈恵会医科大学附属病院は10月4日、DeepMind Healthと5年間の医学研究パートナーシップ を締結したことを発表しました。

 今回のパートナーシップによる研究は、東京慈恵会医科大学附属病院が2007~2018年の間に撮影し、かつ匿名化された3万人の女性のマンモグラフィのデータと英国のUK OPTIMANが保有するマンモグラフィデータを合わせてAI技術で解析を行い、AI技術が現在のスクリーニング技術より効果的にX線画像上でがん性組織の兆候を検出できるかを検討するためのものです。

 また、同研究の過程で、東京慈恵会医科大学附属病院より、約3万人の女性の匿名化された乳房超音波検査画像と3500の匿名化された乳房MRIスキャン画像の共有を予定しているそうです。

  乳がんのステージ別の5年生存率(全国がん成人病センター協議会の生存率共同調査2016年2月集計)は、ステージIで99.9%、ステージ2で95.4%、ステージIIIで80.3%、ステージIVで33.0%と、早期に治療を開始したほうが、治療成績がいいことは明らかです。

 しかし、乳がんを正確に検出し診断することは必ずしも容易ではありません。乳がん検診ではおもにマンモグラフィが使用されていますが、毎年数千例が見落とされ、そのうち30%が検査の間に進行する「中間期がん」であることがわかっています。さらに誤診や過剰診断もあり、スクリーニング初期段階のマンモグラフィの正しい診断のための技術開発が求められています。

 Cancer Research UK Imperial Centre ディレクターである Ara Darzi教授は「グローバルなリサーチパートナーシップへの東京慈恵会医科大学附属病院の参画は、 毎年世界中で乳がんを発症する数百万人の人々の治療を変革するかもしれない技術の開発に一歩近づくことを意味しています」とコメントしています。