キイトルーダ、標準治療が効かなくなった高リスク筋層非浸潤性膀胱がんで完全奏効率約40%を達成

文:がん+編集部

 標準治療の効果がなくなった高リスク筋層非浸潤性膀胱がん患者さんを対象とした、免疫チェックポイント阻害薬のキイトルーダの第2相臨床試験の中間解析の結果、約4割の患者さんで腫瘍が完全に消失したことが明らかになりました。

膀胱がんの80%を占める筋層非浸潤性膀胱がん断

 米メルク社は10月20日、免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)について、上皮内(CIS)腫瘍またはCIS+乳頭状腫瘍の治療歴のある高リスク筋層非浸潤性膀胱がん患者さんを対象とした、第2相臨床試験KEYNOTE-057試験」の中間解析の結果を発表しました。

 膀胱がんは、膀胱壁のどこまで浸潤しているかで分類され、膀胱の筋層まで達していないものを筋層非浸潤性膀胱がんといいます。膀胱がん患者さんの80%が筋層非浸潤性膀胱がんと診断されています。

 KEYNOTE-057試験は、CISまたはCIS+乳頭状腫瘍のある高リスク筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC)患者さんと、CISを伴わない乳頭状腫瘍のある患者さん、それぞれを対象にペムブロリズマブを評価した第2相臨床試験です。

 同試験の中間解析の結果、現在の標準治療の効果がみられなくなり根治的膀胱切除術が適さないか、根治的膀胱切除術を拒否した患者さんにおいて、ペムブロリズマブ投与開始後3か月の完全奏効率※1は38.8%だったそうです。同試験におけるペムブロリズマブの安全性は、これまでの試験で報告されたものと一貫していました。

 エラスムスMCがん研究所泌尿生殖器がん実験的全身治療グループのリーダーであるRonald de Wit教授は、「これまで高リスク筋層非浸潤性膀胱がんの治療選択肢は限られており、再発した場合には、多くの患者さんが唯一の選択肢である手術に頼らなければなりませんでした。また、高リスク筋層非浸潤性膀胱がんのうち、約40%が筋層浸潤性膀胱がんに移行します。今回のKEYNOTE-057のデータは、治療が難しく、手術が適さない膀胱がん患者さんの励みになります」とコメントしています。

 なお、今回の中間解析結果やその他の試験成績は、欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2018)で発表されました。

※1 治療によって、腫瘍が完全に消失した割合のことです。