オプジーボ、食道がんの治験で全生存期間を有意に延長

2019/01/21

文:がん+編集部

 進行または再発食道がんに対するニボルマブ(製品名:オプジーボ)治験の結果が発表されました。化学療法に比べてニボルマブが、全生存期間※1を有意に延長したそうです。

PD-L1発現を問わない、食道がんに対する初の免疫チェックポイント阻害薬

 小野薬品工業株式会社は1月9日、フルオロピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む併用療法に不応または不耐となった切除不能な進行または再発食道がん患者さんを対象としたATTRACTION-3試験の最終解析を発表しました。ニボルマブが化学療法に比べて、主要評価項目である全生存期間を有意に延長しました。

 ATTRACTION-3試験は、切除不能な進行または再発食道がんに対する臨床試験です。フルオロピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む併用療法に不応または不耐となった患者さんが対象です。ニボルマブとドセタキセルまたはパクリタキセルによる化学療法と比較して、有効性と安全性を評価する多施設共同無作為化非盲検試験です。

 最終解析の結果、ニボルマブは、化学療法と比較して、主要評価項目である全生存期間を有意に延長。これによりニボルマブは、腫瘍細胞のPD-L1発現を問わず患者集団全体で全生存期間の有意な延長を示した世界で初めての免疫チェックポイント阻害薬となりました。

ATTRACTION-3試験

対象:切除不能な進行または再発食道がん
条件:フルオロピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む併用療法に不応または不耐となった患者
フェーズ:第3相臨床試験
試験デザイン:多施設共同無作為化非盲検
登録数:390
試験群:ニボルマブ
対照群:ドセタキセルまたはパクリタキセル
主要評価項目:全生存期間
副次的評価項目:奏効率※2、無増悪生存期間※3、安全性、患者報告アウトカム

※1:患者さんの亡くなった原因ががんによるかどうかは関係なく、生存していた期間のことです。
※2:治療によって、がんが消失または30%以上小さくなった患者さんの割合のことです。完全奏効(CR)(腫瘍が完全に消失)と、部分奏効(PR)(腫瘍が30%以上小さくなる)を足して、治療患者の総数で割ったものです。
※3:奏効例(完全または30%の部分消失)で治療中にがんが進行せず安定した状態の期間のことです。