キイトルーダ、食道がんの2次治療として死亡リスクを31%低減

文:がん+編集部

 進行・転移性食道がん、または食道胃接合部がんの2次治療として、ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)の単独投与を評価する治験の結果が発表されました。化学療法と比べて、死亡リスクが31%低減したそうです。

予後不良の食道がんの2次治療の新たな治療選択として期待

 米メルク社は1月14日、PD-L1陽性の治療歴のある進行性食道がん、または食増胃接合部がんに対するペムブロリズマブと化学療法を比較した第3相試験 KEYNOTE-181試験の結果を発表しました。

 KEYNOTE-181試験は、標準治療後に進行したPD-L1陽性(CPS※1が10以上)の扁平上皮がんと腺がんを含む食道がんに対する臨床試験です。ペムブロリズマブと化学療法(パクリタキセルドセタキセル、またはイリノテカン)を比較して、主要評価項目の全生存期間※2で評価されました。その結果、ペンブロリズマブを単独投与された患者さんで、死亡リスクが31%低減したそうです。この条件の患者さんに対して抗PD-1抗体が、生存期間の効果を示したのは今回が初めてです。

 国立がん研究センター東病院消化管内科の小島隆嗣医長は「食道がんと診断された患者の予後は不良であり、1次治療後に疾患進行が認められた患者に対して標準的な治療法が確立されていないことから、2次治療の改善が急務とされています。PD-L1陽性(CPS≧10)の扁平上皮がんや腺がんを含む食道がんの患者においてキイトルーダが示した全生存期間の有意な改善は、重要な科学的進歩であり、現在治療選択肢が限られている患者にベネフィットをもたらす可能性があります。」とコメントしています。

 今回の臨床試験は、2次治療でしたが、食道がんに対する1次治療として、ペムブロリズマブと化学療法の併用療法を評価する第3相試験KEYNOTE-590が現在進行中です。

KEYNOTE-181試験

対象:食道がん、食道胃接合部がん
条件:切除不能、または再発転移性の患者
フェーズ:第3相臨床試験
試験デザイン:無作為化、並行群間比較、非盲検試験
登録数:600人
試験群:ペムブロリズマブ
対照群:パクリタキセル、ドセタキセル、またはイリノテカン
主要評価項目:無増悪生存期間※3、全生存期間
副次的評価項目:奏効率※4

※1:CPS(Combined Positive Score)、腫瘍細胞と免疫細胞のPD-L1発現を合わせたスコア
※2:患者さんの亡くなった原因ががんによるかどうかは関係なく、生存していた期間のことです。
※3:奏効例(完全または30%の部分消失)で治療中にがんが進行せず安定した状態の期間のことです。
※4:治療によって、がんが消失または30%以上小さくなった患者さんの割合のことです。完全奏効(CR)(腫瘍が完全に消失)と、部分奏効(PR)(腫瘍が30%以上小さくなる)を足して、治療患者の総数で割ったものです。