抗PD-1抗体の治療効果は、筋肉量による可能性

文:がん+編集部

 ニボルマブ(製品名:オプジーボ)ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)の治療効果が、治療開始時点の筋肉量が重要な要素であることが調査でわかりました。

筋肉量が少ない患者さんは、病勢進行のリスクが2.83倍

 大阪大学は2月21日、抗PD-1抗体(ニボルマブまたはペムブロリズマブ)の治療効果と治療開始時点の筋肉量の関連性の調査結果を発表。治療開始時点で筋肉量低下を認める場合、抗PD-1抗体の治療効果が有意に低下していました。本調査は、同大医学部附属病院の白山敬之特任助教、同大学院医学系研究科熊ノ郷淳教授らの研究グループによるものです。

 研究グループは、肺がん患者さんに対する抗PD-1抗体の治療結果と、その患者さんの筋肉量の関係を後ろ向きの観察研究として行いました。治療開始時点で筋肉量の低下を認める患者群では、筋肉量低下を認めない患者群と比較して、抗PD-1抗体治療中の病勢進行のリスクが2.83倍となることが示されました。また、全身状態が良好な患者さんの中でも、筋肉量の低下の有無で治療成績に同様の差がみられ、さらに数例ではありますが、1 年以上の長期効果を認めた患者さんは、男女ともに筋肉量が高い集団であることが示唆されました。

 大阪大学は、今回の研究成果の意義を次のように発表しています。「本研究成果により、治療開始時点の筋肉量と抗PD-1抗体の治療効果との関連性が示され、治療開始時点の筋肉量低下は効果不良因子である可能性が示唆されました。現在、抗PD-1抗体の治療効果を予測するためのバイオマーカー研究がすすめられておりますが、今回の研究で得られた筋肉量というマーカーは、既存のマーカーと異なり様々な取り組みによって改善し得る指標です。今後、抗PD-1抗体の治療効果を上げるために、筋肉量を維持するための取り組みが重要となってくるかもしれません」