相談:前立腺がんの術後の尿漏れと性機能への影響が心配

QOL 副作用 治療選択

転移のない前立腺がんと診断を受けました。治療法としてロボット支援手術(ダヴィンチ)または強度変調放射線治療(IMRT)どちらかの選択となると担当医から言われています。ロボット支援手術を選択した場合、前立腺、精嚢、勃起神経、周囲の括約筋を全摘するそうで、尿漏れの心配に加え、射精ができなくなると聞いています。

尿漏れは肛門筋のリハビリで防ぐことができるそうですが、術前のように自然に尿を止めていられるようになれるのでしょうか?また、少し勇気の要る質問ですが、全摘により、性感も全て失うとしたら、性欲など性機能も衰えてしまうのでしょうか。

(本人、男性)

回答:尿失禁には骨盤底筋筋力訓練が有効、性感に関しては、勃起神経の温存状態などにより、術後の病態で異なる

尿失禁のリハビリに関する情報を「がんのリハビリテーション診療ガイドライン」から、前立腺がんの性機能障害に関する情報を「前立腺癌診療ガイドライン2016年版」から、それぞれポイントをご案内します。

尿失禁に対する骨盤底筋筋力訓練
・前立腺がんの手術後患者さんに対する「骨盤底筋筋力訓練」は、行わない場合に比べて尿失禁の改善が認められています
・骨盤底筋筋力訓練の方法は、「術前から、もしくは術後比較的早期(尿道カテーテル抜去後、おおむね7~10日)に、バイオフィードバックなどを行いながらの訓練と、その後も定期的に在宅での訓練を行う」です
・バイオフィードバックとは、通常、自分自身では知ることが難しい身体の生理学的変化について、本人にわかる形で情報を知らせることです
・どのような患者さんに、どのような時期から、どのような頻度や強度、継続期間で行うことが適切かに関しては、まだ確立されていません
・手術により損傷が軽度な患者さんでは、骨盤底筋筋力訓練が有効であると考えられますが、こうした患者さんでは自然回復も多いと考えられます

尿失禁に対する骨盤底筋筋力訓練を評価したさまざまな臨床試験の結果を参考に、がんのリハビリテーション診療ガイドラインでは「尿失禁のリスクがある前立腺がん術後患者に対して、リハビリテーション治療(骨盤底筋筋力訓練)を行うことを提案する」としています。...

続きを読むには、新規会員登録(無料)またはログインが必要です。


新規会員登録(無料)
ログイン

医師に相談したい場合、現役医師が回答する「AskDoctors(アスクドクターズ )」の利用もおすすめです。

アスクドクター