オプジーボ、悪性胸膜中皮腫・悪性黒色腫の術後補助療法の適応追加と用量変更の承認
2018/08/28
文:がん+編集部
オプジーボが、化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫、悪性黒色腫の術後補助療法の適応追加と、「固定用量への用法・用量」の変更の承認を取得しました。
オプジーボの残薬問題、用量変更で解決に期待
小野薬品工業株式会社は8月21日、免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブ(製品名:オプジーボ)について、化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫、悪性黒色腫の術後補助療法の適応追加と、「体重換算の用法・用量」から「固定用量への用法・用量」の変更の承認を取得したことを発表しました。
悪性胸膜中皮腫は、主に胸腔に発生するがんで、アスベスト(石綿)が主な原因と考えられています。日本では、悪性胸膜中皮腫の患者数は約2,000人と推定されています。悪性胸膜中皮腫に対する初回薬物治療としては、ペメトレキセド(製品名:アリムタ)とシスプラチンの併用療法が行われますが、この併用療法の効果がなくなった患者さんには標準的な治療法はなく、新たな治療法が望まれていました。今回の承認によって、世界で初めて、化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫に対するニボルマブの使用が可能となりました。
悪性黒色腫は、皮膚の色と関係が深いメラニン色素の産生能を持つ色素細胞(メラノサイト)ががん化した皮膚がんの一種です。皮膚がんの中でも転移率が高く、きわめて悪性度が高いとされています。日本での悪性黒色腫の患者数は約4,000人といわれています。ニボルマブは、根治切除不能な悪性黒色腫を効能・効果として承認されていましたが、今回の承認によって、悪性黒色腫に対する術後補助療法でも使用することが可能となりました。
ニボルマブ単剤療法の用法・用量に関しては、今回承認取得したものとすでに承認取得している6つの効能・効果について、1回3mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静注する(点滴静注時間:1時間以上かけて)用法・用量から、1回240mgを2週間間隔で点滴静注する(点滴静注時間:30分以上かけて)用法・用量へと変更になりました。
また、根治切除不能な悪性黒色腫に対するニボルマブとイピリムマブ(製品名:ヤーボイ)を併用する場合、ニボルマブ1回1mg/kg(体重)を3週間間隔で4回点滴静注し、その後1回3mg/kgを2週間間隔で点滴静注する(点滴静注時間:1時間以上かけて)用法・用量から、1回80mgを3週間間隔で4回点滴静注し、その後1回240mgを2週間間隔で点滴静注する(点滴静注時間:30分以上かけて)用法・用量へ変更となりました。
これまでの体重換算の用法・用量から固定用量への用法・用量へ変更されることで、利便性が高まり、残薬の問題解消が期待されます。