同種幹細胞移植後の急性骨髄性白血病に対するベネトクラクスの治験

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治験

VIALE-T

同種幹細胞移植後の急性骨髄性白血病患者さんを対象としてベネトクラクスとアザシチジンの併用投与の安全性および有効性を評価する無作為化非盲検第3相試験

治験概要:

急性骨髄性白血病に対する治験。同種幹細胞移植後の患者さんが対象です。
ベネトクラクス+アザシチジン併用療法と支持療法を比較して、有効性と安全性で評価する臨床試験です。
登録予定数は、52人。
フェーズは、第3相臨床試験。
試験デザインは、無作為化非盲検試験。
試験群:ベネトクラクス+アザシチジン併用療法
対照群:支持療法
再発生存期間、全生存期間、患者報告アウトカム、GvHD発現率、微小残存病変などで評価します。

疾患解説:急性骨髄性白血病

疾患の詳細は、「急性骨髄性白血病を知る」を参照ください。

治験薬:ベネトクラクス

ベネトクラクスは、BCL-2タンパク質と選択的に結合し阻害する分子標的薬です。
血液がんや他のがんではBCL-2が過剰発現していることがあります。このBCL-2が過剰発現していると、抗がん薬などでがん細胞を攻撃しても、細胞死や自己破壊を阻止します。ベネトクラクスは、BCL-2タンパク質を標的とすることで、がん細胞で失われた細胞死や自己破壊の過程を回復させ、細胞死を誘導する作用があります。

治験薬:アザシチジン

アザシチジンは、DNAメチル化阻害薬です。
がん細胞では、DNAのメチル化が活性しているため、がん抑制遺伝子が抑制されています。アザシチジンは、DNAのメチル化を誘導することで、がん抑制遺伝子を発現させることで、抗腫瘍効果を発揮します。また、細胞の基となるたんぱく質の合成を妨げることで、異常細胞の増殖を抑制します。

治験情報に関する注意点

治験は、治療を兼ねた臨床試験のことです。薬の元となる物質を動物実験などで有効性や安全性を確認した上で、ヒトに対して使用しても同様に安全で治療効果が予測されるもので行われますが、治験の時点ではまだ有効性や安全性が十分に確認できているわけではありません。有効性や安全性が科学的に証明された治療が、標準治療で、新しい治療が必ずしも最良の治療ではないということを理解してください。その一方で標準治療が確立していない、または薬の耐性ができ、効果が期待できる薬がなくなった患者さんにとって治験は新しい治療選択となる可能性もあります。

治験は「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則と、「医薬品の臨床試験の実施に関する基準(GCP)」を遵守して行われています。これにより、治験に参加される方の利益が損なわれることがないよう、安全な手続きで治験は進められます。

治験情報を探すとき、治験を受けたいと思ったときは、まず治験とはどのようなものなのかを理解してください。
がんの治験情報をお探しの方に知ってほしい5つのこと

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※QLife「がん治験情報サービス」でご案内している治験とは異なります。

試験概要詳細

試験の名称同種幹細胞移植後の急性骨髄性白血病患者を対象としてベネトクラクスとアザシチジンの併用投与の安全性及び有効性を評価する無作為化,非盲検第III相試験(VIALE-T)[M19-063]
試験の概要本試験の主要目的は、AML患者の無再発生存期間(以下、「RFS」)の改善におけるベネトクラクスとアザシチジンの併用投与の有効性を評価することである。同種幹細胞移植(SCT)後に維持療法として投与した場合の支持療法(BSC)と比較する
本治験は2つのパートで構成され、パート1(用量確認パート)には18歳以上の患者を登録する。パート2(無作為化パート)には12歳以上の患者を登録する。パート1では、ベネトクラクスとアザシチジンの併用投与時の第III相試験推奨用量を決定し、パート2ではベネトクラクスとアザシチジン併用投与時(パート2のA群)の有効性及び安全性をBSC(パート2のB群)と比較する
疾患名急性骨髄性白血病
試験薬剤名Venetoclax
用法・用量ベネトクラクスを各28日サイクルでDay1から1日1回24サイクル経口投与する
対照薬剤名支持療法
用法・用量
試験のフェーズフェーズ3/phase3
試験のデザイン本試験の主要目的は、AML患者の無再発生存期間(以下、「RFS」)の改善におけるベネトクラクスとアザシチジンの併用投与の有効性を評価することである。同種幹細胞移植(SCT)後に維持療法として投与した場合の支持療法(BSC)と比較する
本治験は2つのパートで構成され、パート1(用量確認パート)には18歳以上の患者を登録する。パート2(無作為化パート)には12歳以上の患者を登録する。パート1では、ベネトクラクスとアザシチジンの併用投与時の第III相試験推奨用量を決定し、パート2ではベネトクラクスとアザシチジン併用投与時(パート2のA群)の有効性及び安全性をBSC(パート2のB群)と比較する
目標症例数52
適格基準
  • 18歳以上の成人(パート1)、12歳以上の者(パート2)
  • 世界保健機関(WHO、2017年)の基準に基づきAMLと診断されており、同種幹細胞移植を予定しているか又は過去14日以内に同種幹細胞移植を受けている者
  • 移植前の骨髄中の芽球の割合が10%未満
  • 移植後の末梢血中の芽球数が0かつ移植後の骨髄中の芽球の割合が5%未満
  • 治験実施計画書に記載された適切な腎機能、肝機能及び血液学的基準を満たす患者
  • 17歳以上の被験者はカルノフスキーの一般状態(KPS)スコアが50を超え、12-16歳の被験者はLanskyPlay Performance Scaleスコアが40を超えていなければならない
  • 年齢:12歳以上
  • 性別:両方
除外基準
  • ベネトクラクス投与歴がある場合、投与中に疾患進行が認められている
  • 組入れ前2年以内に以下を除く悪性腫瘍の既往歴がある者:
    適切に治療された子宮頸部上皮内癌又は乳房上皮内癌
    皮膚の基底細胞癌又は限局性扁平上皮癌
    根治目的で外科的に切除(又は他の方法により治療)した限局性の悪性腫瘍
    骨髄異形成症候群
  • HIV感染が確認されている者。B型肝炎ウイルス(HBV)又はC型肝炎ウイルス(HCV)感染検査で陽性の者
  • 髄外骨髄性悪性腫瘍の臨床的又は臨床検査で症状又は徴候が認められる者
主要な評価項目有効性/efficacy
検証的/confirmatory
主要な評価方法無再発生存期間(RFS)
副次的な評価項目安全性/safety
有効性/efficacy
薬物動態/pharmacokinetics
その他/other
副次的な評価方法全生存期間(OS)
無移植片対宿主病(GvHD)無再発生存期間(GRFS)
患者報告アウトカム
GvHD発現率
微小残存病変(MRD)
予定試験期間2019年10月1日~2024年10月31日

出典:臨床研究等提出・公開システムより