相談:ステージ4の肺がん、PD-L1発現率1%未満に対する二次治療は?

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1年前にステージ4の肺がんが見つかり、タグリッソの治療を受けています。今年になり、病状が悪化したため、薬剤の変更を勧められています。PD-L1発現率は1%未満のため、免疫チェックポイント阻害薬ではなく、二次治療として「カルボプラチン+ペメトレキセド(アリムタ)+ベバシズマブ(アバスチン)」による治療が提案されています。

二次治療で使用しなければ、今後使用できなくなる薬はありますか? そのような薬があれば、その薬を先に使用することを医師と相談したいと思っています。またPD-L1発現率が1%未満だと、免疫チェックポイント阻害薬を使用することは無意味なのでしょうか?

(本人、女性)

回答:年齢、全身状態に応じて「細胞傷害性抗がん薬」が推奨

日本肺癌学会の「肺癌診療ガイドライン2020年度版」によると、肺がんの治療のポイントは以下の通りです。

・ステージ4のEGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がんの一次治療として推奨されているのは「EGFR-TKI」です
・二次治療として推奨されているのは「細胞傷害性抗がん薬」です
・三次治療として推奨されるのは「細胞傷害性抗がん薬」、もしくはPD-1/PD-L1阻害薬が未使用の場合「PD-1/PD-L1阻害薬」も選択肢です

一次治療増悪後の二次治療としては、年齢、全身状態に応じて「細胞傷害性抗がん薬」が推奨されます。...


一次治療(タグリッソ)後の増悪による二次治療
・75歳未満・PS(Performance Status、全身状態)0-1の二次治療は、「プラチナ製剤と第三世代以降の細胞傷害性抗がん薬併用」が推奨されます
・75歳以上・PS0-1の二次治療は、非扁平上皮がんは「カルボプラチン併用療法」、扁平上皮がんは「第三世代の細胞傷害性抗がん薬」が推奨されます
・PS2の二次治療は、「第三世代の細胞傷害性抗がん薬」が推奨されます

PD-1/PD-L1阻害薬の併用に関して
・PS0-1に対して、「プラチナ製剤併用療法」に「PD-1/PD-L1阻害薬」の併用は推奨されます
・PS2に対して、「プラチナ製剤併用療法」に「PD-1/PD-L1阻害薬」の併用は推奨するだけの根拠はないとされています

全身状態(Performance Status:PS)の基準は以下の通りです。
PS0:全く問題なく活動できる。発病前と同じ日常生活が制限なく行える
PS1:肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる(例:軽い家事、事務作業)
PS2:歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない。日中の50%以上はベッド外で過ごす
PS3:限られた自分の身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
PS4:全く動けない。自分の身の回りのことは全くできない。完全にベッドか椅子で過ごす

参考情報:
日本肺癌学会 肺癌診療ガイドライン2020年版 II.非小細胞肺癌 (NSCLC)7 Ⅳ期非小細胞肺癌
https://www.haigan.gr.jp/guideline/2020/1/2/200102070100.html

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