相談:遺伝子パネル検査や免疫療法を含めた今後の治療方針が知りたい

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今年、妻が子宮がん肉腫のステージ3Cと診断され手術を受けました。 現在は、約3週間おきに通院による抗がん剤治療を受けています。 先日、インターネットで、遺伝子パネル検査を初めて知りました。 妻が担当医に相談したところ、受診中の病院では遺伝子パネル検査は行っておらず、免疫療法はあまり勧められないような雰囲気だったとのことでした。 遺伝子パネル検査や免疫療法を含めて、今後の治療方針をどのように考えればいのでしょうか。

(家族、男性)

回答:遺伝子パネル検査には3つの可能性、免疫療法は開発中のものも多い新しい治療法

子宮がん肉腫は、希少がんの1つです。遺伝子パネル検査は、がんの原因となる遺伝子を調べる検査で、原因遺伝子が特定できる可能性があります。...
一度に複数の遺伝子を調べる検査ですが、原因遺伝子が"必ず"特定できるわけではありません。また、原因遺伝子に対応した治療法がない場合もあります。

遺伝子パネル検査で、がんの原因遺伝子がみつかった場合は、3つの可能性が考えられます。
1 遺伝子に対応した治療薬がすでにあり、当該のがんに対し承認されている場合は、治療に使うことで有効な可能性があります。
2 遺伝子に対応した治療薬はあるが、当該のがんに対し承認されていないが治験が行われている場合は、条件があえば治験に参加できる可能性があります。
3 遺伝子に対応した治療薬がない場合、ほかの治療法が検討されます。

がん免疫療法は、免疫細胞の攻撃機能を「復活させる」ことで、がん細胞を攻撃する治療法です。効果が医学的に証明され保険適用となっているものから、まだ研究・開発中のものまで、さまざまな開発段階の治療法があります。免疫機能には、免疫を活性化するアクセルと抑制するブレーキの、2つの機能があります。したがって、がん免疫療法は、大きくこの2つの機能に着目した治療に分類されます。免疫を抑制するブレーキ機能に着目したがん免疫療法として、「免疫チェックポイント」に対する治療法があります。アクセルタイプの治療法は、まだ安全性や有効性が確認されていませんが、がんワクチン療法や免疫細胞療法などがあります。

がん免疫療法は、まだ開発中のものが多いため、治療選択にあたり注意することがあります。
・保険適用となっている免疫チェックポイント阻害薬でも適応となるがん種が限られています。すべてのがん種に効果があることはまだ証明されていません。
・従来の抗がん剤とは異なる副作用もあります。
・標準治療として認められた治療薬では、有効性とともに安全性も確認されていますが、標準治療となっていない場合は、有効性だけでなく安全性も確認されていません。
・標準治療とまだ認められていない場合でも、有効な可能性が示されている治療法に関しては、治験(治療を兼ねた臨床試験)が行われている場合もあり、条件があえば参加できる可能性もあります。

現在、有効性や安全性が確認され標準治療となった免疫療法や、免疫チェックポイント阻害薬の開発状況などは、がんプラスの「免疫療法を知る」というコーナーをご参照ください。

参考文献
希少がん治療、がん種から遺伝子へ―希少がん患者と治験をつなげるMASTER KEYプロジェクトとは
https://cancer.qlife.jp/series/as005/article8890.html

希少がんセンター
https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/index.html

がん免疫療法を知る
https://cancer.qlife.jp/immuno

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