レンビマとキイトルーダ併用療法、子宮内膜がんの適応で米FDAのブレイクスルーセラピーに指定
2018/08/07
文:がん+編集部
レンビマとキイトルーダ併用療法が子宮内膜がんの適応で、米国FDAよりブレイクスルーセラピーの指定を受けました。開発や承認審査が迅速に進められることが期待されます。
子宮内膜がんの新たな治療法として迅速な承認に期待
エーザイ株式会社と米Merck社は7月31日、レンバチニブ(製品名:レンビマ)と免疫チェックポイント阻害薬のペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)併用療法について、子宮内膜がんの適応で、米国食品医薬品局(FDA)より、ブレイクスルーセラピーの指定を受けたと発表しました。ブレイクスルーセラピーとは、命にかかわる疾患に関する薬の開発や審査の促進を目的としたFDAの制度です。
今回の適応は、子宮内膜がんのうち、マイクロサテライト不安定性(MSI)が低頻度か陰性、あるいはDNAミスマッチ修復機能があり、少なくとも1回の全身治療歴がある進行性または転移性の患者さんを対象としています。
細胞が分裂するときにDNAも複製されますが、複製ミスが発生することがあります。その場合、通常は修復機構が働き、複製ミスを修復しています。この修復機構の機能が低下することで、複製ミスが繰り返され、さまざまな遺伝子異常が重なり、細胞ががん化することがあります。DNAの塩基配列中に同じ構造をもつ部分が繰り返し並んでいる部分があります。この部分をマイクロサテライトといい、繰り返す回数の間違いが起きやすくなっています。がん化した細胞と正常な細胞では、反復回数に違いがあるといわれ、これをマイクロサテライト不安定性(MSI)といいます。
子宮内膜がんは、ステージI~IVまでのステージに分類されます。子宮内膜がんステージIAの患者さんの5年生存率は88%ですが、ステージIVBと診断された患者さんでは15%に低下するとされています。
今回のブレイクスルーセラピーの指定は、第1b/2相臨床試験111試験/KEYNOTE-146試験の中間解析結果に基づくものです。開発が順調に進み米国で承認された場合、日本での承認も期待されます。