テセントリク、肺がんに対して用法・用量の追加承認を取得

文:がん+編集部

 免疫チェックポイント阻害薬アテゾリズマブ(製品名:テセントリク)が、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する用法・用量追加の承認を取得しました。

生存期間の延長を示したIMpower150試験の結果に基づき承認

 中外製薬株式会社は2018年12月21日、化学療法未治療の扁平上皮がんを除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する、アテゾリズマブの用法・用量の追加申請に関して、承認を取得したことを発表しました。今回の承認で、添付文書情報の用法・用量の項目が追加変更されました。IMpower150試験に基づく承認です。

 IMpower150試験は、化学療法未治療のステージ4非扁平上皮の非小細胞肺がん患者さんを対象に行われた臨床試験です。アテゾリズマブ、カルボプラチンパクリタキセルの併用に、ベバシズマブ(製品名:アバスチン)を追加または追加しない場合の有効性と安全性を、ベバシズマブ、カルボプラチン、パクリタキセルの併用療法と比較し評価されました。

 試験の中間解析結果では、アテゾリズマブとベバシズマブにカルボプラチンおよびパクリタキセルを併用した群において、ベバシズマブとカルボプラチンおよびパクリタキセルの併用群に比べ、主要評価項目の1つである EGFR遺伝子変異または ALK融合遺伝子陽性患者を除くすべての患者さんで生存期間の延長を示しました。全生存期間※1の中央値は、19.2か月VS14.7か月でした。

 同社の上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東康氏は「本年1月の既治療の非小細胞肺がんに対する承認に続き、未治療の進行・再発の非扁平上皮非小細胞肺がんの患者さんにテセントリクという新たな治療選択肢を提供できることを嬉しく思います。国内では、非小細胞肺がんを対象とした5つの臨床試験を実施しており、テセントリク単剤または他の薬剤との併用による評価を行っています」とコメントしています。

添付文書情報の追加変更

※下線部分が追加変更されました。
販売名:テセントリク®点滴静注1200mg
一般名:アテゾリズマブ(遺伝子組換え)
効能・効果:切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
用法・用量:化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者の場合
カルボプラチン、パクリタキセル及びベバシズマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200 mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。

化学療法既治療の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者の場合
通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200 mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
薬価:テセントリク®点滴静注1200mg 625,567円/1バイアル
承認条件:医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

<化学療法既治療の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>
国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

IMpower150試験

対象:扁平上皮がんを除く非小細胞肺がん
条件:化学療法未治療のステージ4の患者
フェーズ:第3相臨床試験
試験デザイン:ランダム化、多施設共同、非盲検試験
登録数:1202人
試験群1:アテゾリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル
試験群2:アテゾリズマブ+ベバシズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル
対照群:ベバシズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル
主要評価項目:無増悪生存期間※2、全生存期間
副次的評価項目:奏効率※3ほか

※1:奏効例(完全または30%の部分消失)で治療中にがんが進行せず安定した状態の期間のことです。
※2:患者さんの亡くなった原因ががんによるかどうかは関係なく、生存していた期間のことです。
※3:治療によって、がんが消失または30%以上小さくなった患者さんの割合のことです。完全奏効(CR)(腫瘍が完全に消失)と、部分奏効(PR)(腫瘍が30%以上小さくなる)を足して、治療患者の総数で割ったものです。