基礎知識
ホジキンリンパ腫の基礎知識
悪性リンパ腫は、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2つに分類されます。欧米ではホジキンリンパ腫の患者さんは全悪性リンパ腫のうち10~30%程度ですが、日本では3~6%程度です。発症年齢は20歳代と50~60歳代に2つのピークがあります。
ホジキンリンパ腫は、「古典的ホジキンリンパ腫」と「結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫」の2つに大別されます。古典的ホジキンリンパ腫は、「HRS(Hodgkin/Reed-Sternberg)細胞」という腫瘍細胞の増加が特徴で、結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫は、「LP(lymphocyte predominant)細胞」という腫瘍細胞の増加が特徴です。
古典的ホジキンリンパ腫は、「結節硬化型ホジキンリンパ腫」「リンパ球豊富型ホジキンリンパ腫」「混合細胞型ホジキンリンパ腫」「リンパ球減少型ホジキンリンパ腫」の4つに分類されます。結節硬化型ホジキンリンパ腫は結節性(細胞が変化したかたまり、しこり)であるのに対し、ほかの3つの病型は、びまん性(特定の1か所ではなく広範囲に病変が広がっている状態)であることが特徴です。
ほとんどの患者さんは無症状で、頸部や鎖骨上窩(さこつじょうか)リンパ節の腫れで発見されます。古典的ホジキンリンパ腫のうち結節硬化型の場合、60%の患者さんで、左右の肺に挟まれた部位にある縦隔に病変が見つかります。
ホジキンリンパ腫の病型
病型 | 特徴 | 腫瘍細胞 | |
---|---|---|---|
古典的ホジキンリンパ腫 | 結節硬化型 | 結節性 | HRS細胞 |
混合細胞型 | びまん性 | ||
リンパ球豊富型 | びまん性 | ||
リンパ球減少型 | びまん性 | ||
結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫 | 結節型 | LP細胞 |
参考文献:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版