検査・診断

ホジキンリンパ腫の検査・診断

 診断と病型の決定のために、リンパ節生検や腫瘍生検が行われます。また、病気の進行度(ステージ)を調べるためには、血液検査、尿検査、画像検査、PET検査、骨髄検査などが行われます。このうち血液検査では、白血球数や好酸球数増加、リンパ球数の減少、ALP(アルカリフォスファターゼ)値の上昇、赤血球沈降速度の亢進、CRP値(炎症反応)、細胞性免疫能の低下などを調べます。

 ステージ1~2が限局期、ステージ3~4が進行期に分類されます。限局期の予後予測は複数の基準があり、進行期の予後予測にはIPS(International Prognostic Score)が使用されています。IPSは臨床試験の結果に基づいた7つの因子(血清アルブミン値、ヘモグロビン値、性別、年齢、病期、白血球数、リンパ球数)により決定されます。

各研究グループによる限局期古典的ホジキンリンパ腫の予後因子

研究グループGHSGEORTCNCIC/ECOGNCCN2019
予後良好群病期1、2期
リスク因子なし
病期1、2期
(横隔膜上部病変)
リスク因子なし
病期1、2A期
リスク因子なし
病期1、2期
リスク因子なし
予後不良群病期1、2期
リスク因子あり
病期2B期ではbulky縦隔病変、節外病変があれば進行期
病期1、2期
(横隔膜上部病変)
リスク因子あり
病期1、2A期
リスク因子あり
ただし、bulky病変、 腹腔内病変があると進行期
病期1、2期
リスク因子あり
リスク因子1.縦隔病変(胸郭横径比≧1/3)
2.節外病変
3.血沈亢進
(A≧50、B≧30)
4.3か所以上リンパ節領域
1.縦隔病変(胸郭横径比≧0.35)
2.50歳以上
3.血沈亢進
(A≧50、B≧30)
4.4か所以上リンパ節領域
1.40歳以上
2.血沈亢進(≧50)
3.4か所以上リンパ節領域
4.混合細胞型あるいはリンパ球減少型古典的Hodgkinリンパ腫
1.縦隔病変(胸郭横径比>0.33)
2.血沈亢進(≧50)
3.B症状
4.4カ所以上リンパ節領域
5.10cmを超える病変

出典:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版. 第II章 リンパ腫、II リンパ腫、10ホジキンリンパ腫、総論 表1より作成

GHSG :ドイツホジキン研究グループ
EORTC:欧州がん研究治療機構
NCIC :カナダ国立がん研究所
ECOG:米国東海岸癌臨床試験グループ
NCCN:全米総合がんセンターネットワーク

進行期ホジキンリンパ腫に対するIPSの予後因子

予後因子不良
血清アルブミン値4g/dL未満
ヘモグロビン値10.5 g/dL未満
性別男性
年齢45歳以上
病期4
白血球数1万5,000/mm3以上
リンパ球数600/mm3未満、または白血球分画で8%未満

出典:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版 第II章 リンパ腫、II リンパ腫、総論 表8より作成

参考文献:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版

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