治療

ホジキンリンパ腫の治療

 ホジキンリンパ腫の治療法は、古典的ホジキンリンパ腫と結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫で異なります。古典的ホジキンリンパ腫は、限局期・進行期ともに、化学療法単独または化学療法と放射線療法の併用が推奨されています。結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫の限局期では、病巣部放射線療法(ISRT)が標準治療とされています。

 化学療法は、ABVD療法(ドキソルビシン+ブレオマイシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)が標準治療とされています。進行期古典的ホジキンリンパ腫に対して、CD30を標的とした抗体薬物複合体「ブレンツキシマブ ベドチン」とAVD療法(ドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)の併用療法(BV-AVD療法)が治療選択の1つとされています。また、化学療法と放射線治療を併用する場合は、ISRTが推奨されています。

限局期の古典的ホジキンリンパ腫の治療選択

 限局期の古典的ホジキンリンパ腫の初回治療は、ABVD療法(ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)後に、ISRTによる放射線療法が推奨されています。予後良好の患者さんに対しては、ABVD療法2コース、ABVD療法4コース、ABVD療法6コースのいずれかが選択されます。ABVD療法2コース後に病勢進行以外と判定された場合は、ISRT20Gyによる治療が行われます。ABVD療法4コース後に病勢進行以外と判定された場合は、ISRT30Gyによる治療が行われます。最大径が10cm以上の単一のリンパ節腫瘤(Bulky病変)が認められない場合は、放射線治療を省略したABVD療法6コースが推奨される治療選択の1つとされています。予後不良の患者では、ABVD療法4コース、またはABVD療法6コースのいずれかが選択されます。

限局期古典的ホジキンリンパ腫の治療選択

※縦隔の1/3以上に病変の拡がりがみられたり、最大径が10cm以上の腫瘤
出典:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版 第II章 リンパ腫、II リンパ腫、10ホジキンリンパ腫、総論 アルゴリズムより作成

進行期の古典的ホジキンリンパ腫の治療選択

 進行期の古典的ホジキンリンパ腫の初回治療は、ABVD療法を6コースか8コース、もしくはがん細胞の表面にあるCD30という分子を標的とした抗体薬物複合体のブレンツキシマブ ベドチン(製品名;アドセトリス)とAVD(アドリアマイシン+ビンブラスチン+ダカルバジン)療法6コースを併用した治療が推奨されます。

 化学療法終了後は、CTとPETによる検査が行われ、完全奏効が認められた場合、治療は終了です。部分奏効の場合は、ISRT(線量:36~45Gy)による放射線療法の追加治療が考慮されます。奏効が認められず安定もしくは進行した場合は、救援化学療法が検討されます。

進行期古典的ホジキンリンパ腫の治療選択

出典:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版 第II章 リンパ腫、II リンパ腫、10ホジキンリンパ腫、総論 アルゴリズムより作成

参考文献:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版

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