相談:B型肝炎ウイルスに感染している場合の抗がん剤治療で気を付けることは?

検査 骨転移

主人が前立腺がんと診断され、骨転移があります。以前から「HBs抗原陽性」(B型肝炎ウイルスに感染していることを意味する)であることがわかっておりますが、これといった症状が出ていないため経過観察中です。抗がん剤治療を受ける時には、担当医にこのことを伝えるように言われたことがあります。これから骨転移に対する治療を始めるにあたって、何か事前に準備することはありますか?

(家族、女性)

回答:B型肝炎ウイルス再活性化に関して注意喚起のある薬剤も多い

日本肝臓学会の「B型肝炎治療ガイドライン」によると、B型肝炎ウイルス(HBV)感染患者さんの化学療法に関するポイントは次の通りです。

HBV再活性化に関して
・HBV感染患者さんが、免疫抑制・化学療法を受けたことで、HBVが患者さんの体内で再び増殖することをHBV再活性化といいます
・HBV再活性化による肝炎は重症化しやすいだけでなく、肝炎の発症により原疾患の治療を困難にさせるため、発症そのものを阻止することが最も重要とされています
・リツキシマブを含むような強力な免疫抑制・化学療法を行う際はHBs抗原陽性および既往感染者(非活動性キャリアを含む)からの再活性化にも十分注意する必要があるとされています
・通常の化学療法および免疫抑制作用がある分子標的治療薬を併用する場合は、頻度は少ないながら、HBV再活性化のリスクがあるとされています
・B型肝炎ウイルス再活性化に関して注意喚起のある薬剤も多くあります

B型肝炎ウイルスに関することに限らず、聞きたいことや希望など相談したいことをあらかじめまとめておき、今後の治療方針など担当医の先生にご相談なさってみてください。...

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