進行性悪性黒色腫対象の臨床試験 長期的な有効性に関するデータを発表

2018/06/21

文:がん+編集部

 進行性悪性黒色腫患者さんを対象としたキイトルーダの臨床試験について、長期的な有効性に関する新たなデータが発表されました。

キイトルーダを評価する2つの臨床試験データより

 米メルク社は6月4日、免疫チェックポイント阻害剤ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)について、進行性悪性黒色腫患者さんを対象とした第3相試験 ※1KEYNOTE-006試験と第1b相試験※2KEYNOTE-001試験の解析から、長期的な有効性に関するデータを発表しました。

 KEYNOTE-006試験は、切除不能のステージIIIまたはIVの悪性黒色腫患者さん834名を対象として、ペムブロリズマブとイピリムマブ(製品名:ヤーボイ)を比較する非盲検※3 無作為化※4 ピボタル※5 国際第3相試験です。一方で、KEYNOTE-001試験は、進行性悪性黒色腫患者さん655名を含むさまざまな進行がん患者を対象として、ペムブロリズマブを評価する多施設非盲検マルチコホート※6 第1b相試験です。

 KEYNOTE-006試験の結果、主要評価項目の全生存期間(OS)※7 については、4年生存率は
ペムブロリズマブ群(2週間ごとに投与する群と3週間ごとに投与する群を合算)41.7%
イピリムマブ群34.1%
でした。

 未治療患者さんにおける4年生存率は、
ペムブロリズマブ群(2週間ごとに投与する群と3週間ごとに投与する群を合算)44.3%
イピリムマブ群36.4%
だったそうです。

 KEYNOTE-001試験の結果、副次評価項目の5年生存率は
全ての患者さんでは34%
未治療患者さんでは41%
でした。

 ペムブロリズマブの安全性プロファイルは、両試験とも進行性悪性黒色腫患者さんを対象とするこれまでの試験の結果と一貫していたそうです。

※1 多数の患者さんを対象として有効性や安全性、使用法(方法や量)を確認します。
※2 第1相試験に付随して行われる試験です。
※3 医師も患者も知っている状態です。
※4 対象者を確率的に2つ以上にわけることです。
※5 新しい治療法や治療薬の有効性を示す根拠となり、のちの治療を変える可能性のある試験です。
※6 対象となるグループを一定期間観察することで要因や特性などを明らかにする研究方法です。
※7 患者さんの亡くなった原因ががんによるかどうかは関係なく、生存していた期間のことです。