治療

成人T細胞白血病・リンパ腫の治療

インドレントタイプの治療

 成人T細胞白血病・リンパ腫の病型のうち、比較的病状の進行が緩やかな経過をたどる「インドレントタイプ」に分類される「くすぶり型」と「予後不良因子のない慢性型」では、化学療法を行わず、急性転化しなければ無治療経過観察が行われます。「くすぶり型」で皮膚症状がある場合は、局所治療が推奨されます。

アグレッシブタイプの治療

 急速に病状が進行する「アグレッシブタイプ」に分類される「予後不良因子のある慢性型」「急性型」「リンパ腫型」では、化学療法(VCAP-AMP-VECP療法)が推奨されます。VCAP-AMP-VECP療法は、VCAP「ビンクリスチン+シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾロン」- AMP「ドキソルビジン+ラニムスチン+プレドニゾロン」-VECP「ビンデシン+エトポシド+カルボプラチン+プレドニゾロン」を併用した化学療法です。抗CCR4抗体薬「モガムリズマブ」をVCAP-AMP-VECP療法と併用することで、効果が高まりますが、副作用も強くなるため注意が必要です。

 化学療法により、完全奏効や部分奏効が認められ全身状態、主要臓器機能に問題がなければ、55歳までの患者さんでは骨髄破壊的同種移植、50~70歳(ドナーが非血縁の場合は65歳まで)の患者さんで、移植前の強力な化学療法に耐えられない場合は、骨髄非破壊的同種移植が推奨されます。

成人T細胞白血病・リンパ腫の治療選択
成人T細胞白血病・リンパ腫の治療選択
出典:一般社団法人日本血液学会編. ”造血器腫瘍診療ガイドライン 2018年版”.金原出版、2018. 第II章 リンパ腫、II リンパ腫、成人T細胞白血病・リンパ腫 アルゴリズムより作成

参考文献:一般社団法人日本血液学会編. ”造血器腫瘍診療ガイドライン 2018年版”.金原出版、2018.
日本皮膚科学会/日本皮膚悪性腫瘍学会編.”皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン 第2版”.金原出版、2015.

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