検査・診断

リンパ形質細胞性リンパ腫の検査

 リンパ形質細胞性リンパ腫では、血液中の免疫グロブリン、血液細胞数、血液の粘稠度(ねんちゅうど:粘った状態)を確認するために血液検査が行われます。また、腫瘍細胞の形状や腫瘍細胞の浸潤の有無を調べるために、リンパ節生検や骨髄生検が行われます。

 リンパ形質細胞性リンパ腫では、MYD88L265P遺伝子変異(MYD88遺伝子変異のうち、MYD88タンパク質の265番目のロイシンがプロリンに変化するような変異)約90%、CXCR4遺伝子変異が約30%、染色体異常として6番染色体長腕欠失が30~50%で認められるため、遺伝学的検査が行われます。

リンパ形質細胞性リンパ腫の予後因子

 リンパ形質細胞性リンパ腫の予後因子は、年齢(65歳以下は0点、66~75歳は2点、76歳以上は2点)、β2ミクログロブリン(4mg/Lを超える場合は1点)、血清LDH(250IU/Lを超える場合は1点)、血清アルブミン(3.5g/dL未満は1点)でスコア化され、その合計で判定されます。

 5年生存割合は、合計スコアが0点では95%、1点は86%、2~3点は78%、4~5は36%とされています。

 治療効果判定は、国際マクログロブリネミア会議(International Workshop on WM:IWWM)の基準が用いられており、症状、血清IgM値、画像検査結果を組み合わせて評価されます。

Revised IPSSWM

年齢65歳以下0
66~75歳1
76歳以上2
β2ミクログロブリン4mg/Lを超える1
血清LDH250IU/Lを超える1
血清アルブミン3.5g/dL未満1

出典:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版 第II章 リンパ腫、II リンパ腫、悪性リンパ腫 リンパ形質細胞性リンパ腫/ワルデンシュトレームマクログロブリン血症 総論より作成

参考文献:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版

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