相談:乳がん治療薬と骨粗しょう症治療薬は併用しても大丈夫でしょうか?

治療 副作用

乳がんの再発後に、ホルモン治療としてアナストロゾール錠(アリミデックス)を使用しています。これとは別に、整形外科で骨粗しょう症の薬としてバゼドキシフェン(ビビアント)を提案され、一緒に飲んでいました。

飲み始めから半年ほどが経過し、看護師の家族から、「その2つは組み合わせが悪いはずだから、先生に聞いたら?」と言われました。その後、骨粗しょう症の薬を控えるようにしています。ホルモン治療の効果が薄れてないか心配なのですが、大丈夫でしょうか。

(本人、女性)

回答:アロマターゼ阻害薬使用時のラロキシフェン併用は避けるのが妥当

日本乳癌学会の「乳癌診療ガイドライン2022年版」によると、乳がんの治療のポイントは以下の通りです。

・アリミデックスは、閉経後の乳がんのエストロゲンの合成を抑制し、乳がん細胞が増殖しないようするアロマターゼ阻害薬です
・乳癌診療ガイドラインでは、「アロマターゼ阻害薬使用時には、定期的な骨密度の評価を行い、骨折のリスクに応じて骨吸収抑制薬(ビスホスホネート、デノスマブ)を使用する」と記載されています
・選択的エストロゲン受容体モジュレーターのラロキシフェンとアリミデックスを併用することで、有害事象の増加と乳がん再発抑制効果を阻害する可能性が、臨床試験により確認されています
・そのため、乳癌診療ガイドラインでは、「アロマターゼ阻害薬使用時のラロキシフェン併用は避けるのが妥当である」と記載されています

ビビアントは、選択的エストロゲン受容体モジュレーターです。...

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