相談:ステージ2A乳がん、術前化学療法で腫瘍縮小後の乳房全摘以外の選択は?

化学療法 手術(外科治療) セカンドオピニオン 治療選択

娘がHER2陽性HR陰性のステージ2Aの乳がんと診断され、術前化学療法として抗HER2治療を2か月、DDAC(ドキソルビシン+シクロホスファミド)療法を2か月、ハーセプチンの治療を3か月受けました。最初5cmだった腫瘍が8mmに縮小したにもかかわらず、「全摘手術をしましょう」と医師に言われています。腫瘍の場所が乳頭の下あたりなので全摘しかないという診断です。親としては、そんなに小さくなったのなら、全摘で乳房を失うよりもっと良い方法がないものかと考えています。手術の日程はすでに決まっていますが、諦めることができません。セカンドオピニオンを受けたほうがいいのでしょうか?

(家族、女性)

回答:乳房再建を前提に皮膚や乳頭を温存した乳房切除術が、近年は増加傾向

乳がんの治療に関して、がんプラスに掲載されている記事から、ポイントをご案内します。

ステージ1~2乳がんの治療選択
・ステージ1~2の患者さんには、乳房部分切除か乳房切除術が行われます
・部分切除の場合は、術後に放射線治療が必須ですが、乳房切除術の場合でも、術後放射線治療が必要になることもあります
・がんが大きい場合は、手術の前に抗がん剤治療でがんを縮小させてから切除が行われる場合もあります(術前化学療法)
・手術の際、患者さんの症状によっては、リンパ節転移を調べるためにセンチネルリンパ節生検が行われます
・リンパ節転移が明らかな場合は、腋の下にある腋窩(えきか)リンパ節の郭清が検討されます
・切除した組織は、検査でがんの性質(サブタイプ)などを調べた後、再発リスクの評価が行われます
・サブタイプに合わせて、ホルモン療法、化学療法、抗HER2療法などから1種類、または、複数を組み合わせて再発予防のための治療が行われます

乳がんの手術
・乳がんの外科的治療は、乳房を温存する「乳房部分切除術」と乳房を全部切除する「乳房切除術」の2つがあります
・乳房切除術は、乳房全部と大胸筋、小胸筋、腋窩リンパ節、鎖骨下リンパ節をすべて切除する定型乳房切除術が以前は多く行われていましたが、現在は胸筋を切除しない非定型乳房切除術が標準的な乳房切除術となっています
・乳房部分切除は、かつて増加傾向にありましたが、乳房再建手術の保険適用と手術の手技の進歩によって、乳房再建を前提に皮膚や乳頭を温存した乳房切除術が、近年は増加傾向にあります

乳房再建手術
・乳房切除術で失われた胸のふくらみを取り戻すために行われるのが、乳房再建です
・再建方法は「自家組織」と「人工物(シリコン・インプラント)」の2つの方法があります
・乳房を再建するタイミングで呼び方が異なり、乳がんの手術と同時に行われるものを「一次再建」、乳がんの手術後数か月経ってから改めて行われるものを「二次再建」といいます

セカンドオピニオン
セカンドオピニオンは、患者さんが納得のいく治療法を選択するために、担当医の先生とは別の医療機関の医師に第2の意見を求めることです。...

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