相談:胃がんの術後療法中、腹膜播種を早期発見する検査法は

検査 化学療法 治療選択

60代後半・男性の友人のがんについて相談です。1年前の春に吐血し、検査の結果、胃がんと診断されました。その後、大学病院で手術が行われ、胃の3分の2を切除しました。腹腔洗浄細胞診の結果、陽性でした。術後、SOX(オキサリプラチン+S-1)療法が開始されましたが、血小板の低下により3回でオキサリプラチンは中止。以後、S-1のみの内服を続け、1年が経過しました。

「S-1の内服を続行しますか?」と医師に尋ねられた友人は、私にそのことを相談してきました。皮膚の色素沈着、血球の減少(徐々に回復)は見られますが、他に目立った副作用がないため私は内服続行を勧めました。腹膜播種が起こることが、とても恐ろしいことだと思っての意見です。

今後、腹水貯留や腸閉塞など、何か症状が起こるまでその恐怖に怯えないといけないのでしょうか? 早期の段階で腹膜播種が起こり始めたことを知る検査法などがあるのでしょうか?

(知人、男性)

回答:術後補助化学療法を行わず経過観察で再発を早期発見した場合の、その後の局所療法による治癒率についての報告はない

日本胃癌学会の「胃癌治療ガイドライン第5版」とがんプラスに掲載の記事から、胃がんの治療のポイントをご案内します。

完全切除後の補助化学療法に関して
・切除不能の胃がんでも、化学療法の有効性が認められています
・腹腔洗浄細胞診陽性でも、完全切除後の化学療法により25%程度の5年生存が認められています
・ステージ2~3の胃がんに対しても術後補助化学療法の有用性が認められています
・こられのことから、ステージ4でも完全切除の術後補助化学療法の効果が期待されるため、術後補助化学療法を行うことが推奨されています

再発胃がんの化学療法に関して
・再発胃がんの一次治療は、フッ化ピリミジン系薬剤とプラチナ系薬剤を組み合わせた併用療法から選択されます
・HER2陽性の場合は、トラスツズマブが追加されます
・術後補助化学療法中、または、治療終了後6か月以内の早期に再発した患者さんに対する標準治療は確立されていませんが、補助化学療法で使用された薬剤は使用されないことが推奨されています

推奨される治療薬の組み合わせは、以下の通りです

HER2陰性の一次治療
フッ化ピリミジン系薬剤+プラチナ系薬剤
FOLFOX
HER2陽性の一次治療
フッ化ピリミジン系薬剤+プラチナ系薬剤+トラスツズマブ

MSI-Hの場合の二次治療
ペムブロリズマブ
パクリタキセル毎週投与+ラムシルマブ
MSI-H以外の場合の二次治療
パクリタキセル毎週投与+ラムシルマブ

HER2陰性の三次治療
ニボルマブ
トリフルリジン・チピラシル
イリノテカン
HER2陽性の三次治療
トラスツズマブ デルクステカン

四次治療
三次化学療法までの候補薬のうち、使用しなかった薬剤を適切なタイミングで治療を切り替えて行うことが考慮されます

術後補助化学療法を行わずに厳重な経過観察(検査)により再発を早期確認した場合の、その後の局所療法(外科的介入など)による治癒率などについての報告は、今のところありません。...

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