相談:キイトルーダの治療開始後の肺炎、今後の治療はどうなるでしょうか?
75歳の父が肺がんと診断されました。昨年の秋、自治体の検診で肺がんの疑いがあると言われましたが、その時点で本人に自覚症状はなく、元気でした。大きな病院で改めて検査を受けたところ、肺腺がんと診断されました。リンパ節への転移は見られたものの、骨や脳、その他の臓器への転移はないようです。
医師の診断では、「手術、放射線治療はできない」とのことでした。遺伝子検査の結果、使用できる分子標的薬はないようですが、PD-L1の発現が確認されたため、キイトルーダの治療を受けることになりました。
先日、キイトルーダによる1回目の治療が行われました。少し肺炎の兆候が見られたものの退院し、抗生剤を処方されていました。しかし、その後、息切れの兆候が現れたため、病院で検査をしてもらったところ、肺炎が悪化していることがわかり入院となりました。抗生剤による治療で1日様子を見ていましたが、改善しないためステロイド治療を行いました。一時は、あと数日と言われましたが、なんとか持ち直し、現在は酸素吸入がなくても大丈夫なほどに回復しました。
担当医によると、肺炎はキイトルーダの副作用の可能性があるとのことで、今後の使用に消極的な姿勢を示しています。また現在は、血糖値も上がってきていますが、今後の治療方針を担当医に聞いても、なかなかはっきりした答えが得られない状況です。
本人も、私たち家族も「もうお手上げです。何も出来ることはありません」となってしまうのは、あまりにも残念でなりません。肺炎治療後は退院できる予定ですが、何か希望が持てるような治療はないでしょうか?
(家族、男性)
回答:キイトルーダにより間質性肺炎が認められた場合は、症状の程度(グレード)別に対応
日本肺癌学会の「肺癌診療ガイドライン2020年版」によると、肺がんの治療のポイントは以下の通りです。
・手術、放射線による治療ができない場合は、化学療法が行われます
・遺伝子変異が認められずPD-L1が50%以上で、全身状態が0~1の非小細胞肺がん患者さんに対しては、キイトルーダ単剤、細胞傷害性抗がん薬(プラチナ製剤併用療法)+PD-1/PD-L1阻害薬併用が推奨され、オプジーボ+ヤーボイ併用療法も治療選択として検討されます
・全身状態が2の患者さんに対しては、細胞障害性抗がん薬、もしくはキイトルーダ単剤による治療が検討されます
・二次治療としては、全身状態に応じて細胞傷害性抗がん薬を使うことが薦められています
・全身状態が3~4の患者さんに対しては、化学療法は推奨されていません
全身状態に関しては、以下の通りです。...
・手術、放射線による治療ができない場合は、化学療法が行われます
・遺伝子変異が認められずPD-L1が50%以上で、全身状態が0~1の非小細胞肺がん患者さんに対しては、キイトルーダ単剤、細胞傷害性抗がん薬(プラチナ製剤併用療法)+PD-1/PD-L1阻害薬併用が推奨され、オプジーボ+ヤーボイ併用療法も治療選択として検討されます
・全身状態が2の患者さんに対しては、細胞障害性抗がん薬、もしくはキイトルーダ単剤による治療が検討されます
・二次治療としては、全身状態に応じて細胞傷害性抗がん薬を使うことが薦められています
・全身状態が3~4の患者さんに対しては、化学療法は推奨されていません
全身状態に関しては、以下の通りです。...
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