相談:骨転移のある前立腺がん、ゾーフィゴとランマークどちらがいい?

骨転移 転移 治療選択

主人が前立腺がんと診断され、ホルモン療法(ゾラデックスとカソデックス)による治療を受けていました。先月、PSA値が2.410から4.762と上昇したため、詳しい検査を受けたところ、転移が疑われ去勢抵抗性前立腺がんと診断されました。去勢抵抗性となったことから、これまで受けてきたホルモン療法とは別の治療(ランマーク)を勧められています。

ランマークは、副作用として顎骨壊死が起こる可能性があるとのことで気になっています。「ゾーフィゴ」が、骨転移のある前立腺がんの治療に使えるということで、こちらを希望したいと思っていますが、どちらがいいのでしょうか?

(家族、女性)

回答:ゾーフィゴは、適切な使用タイミングを見極めるのが難しい薬

前立腺がんの治療に関して、がんプラスに掲載されている記事から、ポイントをご案内します。

前立腺がんの骨転移に対する治療薬
骨転移に対する薬物療法には、デノスマブ(ランマーク)、ゾレドロン酸(ゾメタ)、ラジウム223(ゾーフィゴ)の主に3つの選択肢があります

【ランマーク】
投与法:皮下注射/4週間ごと
副作用:低カルシウム血症、顎骨壊死
【ゾメタ】
投与法:静脈点滴/3~4週間ごと
副作用:発熱、低カルシウム血症、顎骨壊死
【ゾーフィゴ】
投与法:静脈注射/4週間ごと
副作用:貧血、血球減少、悪心・嘔吐、下痢、骨の痛み、疲労感

ランマークとゾメタによる治療に関して
・ランマークとゾメタは、破骨細胞の働きを抑制することで、骨の再構築を正常化させるように作用する薬剤です
・ランマークやゾメタでは、顎骨壊死と低カルシウム血症といった副作用が起こる可能性があり、ランマークのほうが副作用が起こる人はやや多いとされています
・ランマークによる治療では、顎骨壊死が2~5%の人に発生します
・顎骨壊死を起こす人はもともと歯が悪いことが多いため、治療を始める前に歯科や口腔外科で歯周病などの検査や治療が行われます

ゾーフィゴによる治療に関して
・ゾーフィゴは、アルファ線を放出する放射性物質を含む薬剤です
・がんの骨転移巣に運ばれたゾーフィゴから放出されるアルファ線で、骨に転移したがん細胞のDNAを切断し、がん細胞を死滅させます
・ゾーフィゴは、骨転移の治療薬として初めて生命予後を改善した効果が治験で確認され2016年に保険適用されました
・ゾーフィゴは、前立腺がんの骨転移に対し期待のもてる薬剤ですが、使い方が難しい点があります
・海外で行われた治験では、骨転移の数が6個未満と少ない場合には、ゾーフィゴの生命予後を延ばす効果は必ずしも認められませんでした
・骨転移が6~20個を少し超えるくらいの場合には、生命予後を延ばす効果が認められました
・20数個以上の骨転移がある場合には、あまり効果が認められませんでした
・骨転移の数があまり少なくても多くてもゾーフィゴの効果は期待できないため、適切なタイミングを見極めるのが難しい薬です


参考情報
がんプラス「前立腺がんに多い骨転移。...

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