相談:EGFR遺伝子変異がある場合の肺がん治療について

治療 化学療法 治験

EGFR遺伝子変異のある非小細胞肺がんで、1年7か月にわたりタグリッソによる治療を受けています。先日の検診時、タグリッソが薬剤耐性となっているようだといわれました。今後の治療方法はどのようなものがありますか。 標準治療と治療選択について教えてください。

(本人、男性)

回答:EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんに対する2次治療、全身状態、年齢、組織型により選択

日本肺癌学会の「肺癌診療ガイドライン」によると、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんに対する薬物治療としてタグリッソによる1次治療が行われた場合の、2次治療以降に関しては以下の通りです。

EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんに対する薬物治療に関して
全身状態(PS)が0~1で75歳未満の患者さんに対する2次治療
・プラチナ製剤と第3世代以降の細胞傷害性抗がん剤の併用療法が推奨されています

全身状態(PS)が0~1で75歳以上の非扁平上皮がんの患者さんに対する2次治療
・カルボプラチン併用療法が推奨されています
・第3世代の細胞傷害性抗がん剤による単剤療法が提案されることもあります

全身状態(PS)が0~1で75歳以上の扁平上皮がんの患者さんに対する2次治療
・第3世代の細胞傷害性抗がん剤による単剤療法が推奨されています
・カルボプラチン併用療法が提案されることもあります

全身状態(PS)が2の患者さんに対する2次治療
・第3世代の細胞傷害性抗がん剤による単剤療法が推奨されています
・プラチナ製剤併用療法が提案されることもあります

※75歳未満と以上で治療選択が異なりますが、実年齢だけでは判断されません

全身状態(PS)に関して
・PS 0:全く問題なく活動できる 発病前と同じ日常生活が制限なく行える
・PS 1:肉体的に激しい活動は制限されるが、歩行可能で、軽作業や座っての作業は行うことができる 例:軽い家事、事務作業
・PS 2:歩行可能で自分の身の回りのことはすべて可能だが作業はできない 日中の50%以上はベッド外で過ごす
・PS 3:限られた自分の身の回りのことしかできない 日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす
・PS 4:全く動けない 自分の身の回りのことは全くできない 完全にベッドか椅子で過ごす

参考サイト:
肺癌診療ガイドライン2020年版 2.非小細胞肺癌 (NSCLC)7.IV期非小細胞肺癌
https://www.haigan.gr.jp/guideline/2020/1/2/200102070100.html
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