相談:前立腺がんで待機療法中、SBRTを受けてみたい

放射線治療 治療 LINE会員限定記事

現在87歳で、前立腺がんの治療中です。PSA値が1年半前の7から直近15まで上昇中しました。悪性度は8、進行度はT3bです。高齢のため現在は待機療法中ですが、体幹部定位放射線治療SBRT)を受けて待機療法を継続したいと思っております。

(本人、男性)

回答:放射線治療、手術どちらにもメリットとデメリットがあり治療選択は個人の希望も大切

前立腺がんに対する体幹部定位放射線治療(SBRT)を含む放射線治療と手術などの治療法との違いは以下の通りです。

・手術と放射線治療のどちらでも治癒率に違いはない
・異なるのは治療期間や治療に伴う一時的な合併症の種類
・治療方針の決定に際しては、患者さんの意向が重要

前立腺がんに対する手術は、過去に骨盤内手術の経験がある場合は、手術は避けられる傾向です。...
血液が固まりにくくなるお薬を服用している患者さんや全身麻酔に危険を伴う患者さんでは、手術は不向きとされています。メリットは、前立腺肥大に伴う排尿困難も解消できること、力まないと排尿できない、残尿感が強いなど排尿困難で日常生活に支障がある患者さんには適した治療です。デメリットは、手術後にパッドが必要な尿失禁が持続することや、勃起機能が障害される確率が高いことです。

前立腺がんに対する放射線治療は、過去に前立腺に一定量以上の放射線が照射されている場合や、あおむけで安静な姿勢が保てない患者さんなどは治療適応となりません。メリットは、多くの場合、外来通院で治療が可能で、痛みなどはなく、体力が低下している高齢者でも倦怠感を感じない、勃起機能も当面温存されやすいことです。デメリットは、頻度は低いものの治療の約10年後まで、血尿や尿路痛などの排尿障害や血便などの排便障害が一時的に起こりうることです。

SBRTは、低リスクから中間リスクの前立腺がんであれば、手術や他の放射線治療と同等の治癒率です。アメリカでは、低リスクから中間リスクの前立腺がんでは、主要な治療選択肢の1つとして、診療ガイドラインに位置づけられています。高リスク患者さんに対しては、SBRTの5年を超える長期成績は、アメリカを中心に近年ようやく報告が散見されるようになり、数字上は他の高精度放射線治療の治療成績と同等です。症例数がまだ少ないため、長期的な治療成績としては未確定な状況で、治療適応を慎重に判断する必要があります。

中間リスクから高リスクの可能性があるため、担当医もしくは治療を希望される病院でセカンドオピニオンを受け、治療方針の希望を伝えご相談なさってみてはいかがでしょうか。

参考文献
前立腺がん患者さんが体幹部定位放射線療法(SBRT)を選択する理由とは
https://cancer.qlife.jp/prostate/article8755.html

医師に相談したい場合、現役医師が回答する「AskDoctors(アスクドクターズ )」の利用もおすすめです。

アスクドクター