相談:再発膀胱がんの治療選択と4者併用膀胱温存療法とは

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膀胱がんのTa1と診断され、2度膀胱鏡による手術を受けました。再発した場合の治療選択は、どのようなものでしょうか。全摘手術より、4者併用膀胱温存療法による治療を希望しています。4者併用膀胱温存療法とは、どのような治療法ですか。

(本人、男性)

回答:4者併用膀胱温存療法を行うかは、3者併用膀胱温存療法後の治療効果判定次第

膀胱がんに対する4者併用膀胱温存療法に関して、研究成果が英国の医学誌「BJU International」に発表されています。この論文によると、膀胱がんに対する4者併用膀胱温存療は以下のような治療です。...


3者併用膀胱温存療法は、経尿道的膀胱腫瘍切除と化学放射線療法(抗がん剤および放射線療法)を組み合わせた治療法です。3者併用膀胱温存療法の問題点は、10~20%の患者さんで温存した膀胱に筋層浸潤がんが再発することです。再発した場合は膀胱全摘除が必要となりますが、がんの根治を目的とした放射線治療で組織が障害されているため、手術リスクが高くなり、手術の合併症、死亡率が増加すると報告されています。

4者併用膀胱温存療法は、こうした問題を解決するため3者併用膀胱温存療法後に、治療効果判定を行い、元々筋層浸潤がんがあった部位の部分切除と微少転移の可能性のある骨盤リンパ節の切除を行う治療法です。

4者併用膀胱温存療法は、すべての患者さんが対象となるわけではありません。対象となる患者さんは、根治性を損なわずに膀胱が温存できる可能性があり、腫瘍の範囲が比較的限局した筋層浸潤膀胱がんの患者さんです。具体的な基準は、以下の通りです。

筋層浸潤膀胱がんであること。
筋層浸潤がんが単発、かつ範囲が広範でないこと(膀胱全体の25%以内)。
膀胱頚部(膀胱の出口)にがんがおよんでいないこと。
上皮内がんがないこと。

基準に該当する患者さんで、3者併用膀胱温存療法を行った後、治療効果判定により、明らかな残存がんが認められなければ、部分切除を行います。残存病変があった場合は、膀胱全摘除となります。筋層浸潤膀胱がん患者さん全体の3人に1人程度が4者併用膀胱温存療法の適応になります。

今後、再発した場合、4者併用膀胱温存療法も含めて、担当医と治療選択に関して、ご自身の治療の希望をよく伝えてご相談なさってみてください。

参考文献
東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 人泌尿器外科学教室 先進的な医療「4者併用膀胱温存療法」
https://tmdu.tokyo/advanced/pc.html#:~:text=4%E8%80%85%E4%BD%B5%E7%94%A8%E8%86%80%E8%83%B1%E6%B8%A9%E5%AD%98%E7%99%82%E6%B3%95%EF%BC%88TeMT%EF%BC%89%E3%81%AF%E3%80%81%E8%86%80%E8%83%B1,%E7%9A%84%E3%81%AA%E6%B2%BB%E7%99%82%E6%B3%95%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

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