がん3年生存率71.3%、国立がん研究センター初公表
2018/09/19
文:がん+編集部
国立がん研究センターが、3年生存率と5年生存率の新たな集計データを発表しました。集計された11種のがん全体で、3年生存率が71.3%、5年生存率は65.8%です。
前立腺がん99.0%、女性の乳がん95.2%
国立がん研究センターは9月12日、2011年の1年間にがんと診断された患者さんの3年を経過した生存率と、2008・2009年にがんと診断された患者さんの5年を経過した生存率を発表しました。
3年生存率の集計は、今回が初めてです。胃がん、大腸がん、乳がん、肝臓がん、肺がん、食道がん、膵臓がん、前立腺がん、子宮頸がん、子宮体がん、膀胱がんの11がん種について、集計しました。268施設約30万件が対象です。集計の結果、全体の3年生存率は71.3%となり、前立腺がんは99.0%、女性の乳がんは95.2%と高く、膵臓がんは15.1%にとどまりました。
画像はリリースより
がん5年生存率(2008・2009年)は全体で65.8%
5年生存率についても同様の11がん種を対象に、251施設約50万件のデータを用いて集計しました。5年生存率は、2007年診断症例から集計を開始し、今回で3回目の公表となります。集計の結果、全体の5年生存率は65.8%でした。女性の乳がんは全体で92.7%、ステージIで100%、ステージIIで95.7%でした。また、他のがん種と比較して、若い世代の患者さんが多いことが示されました。前立腺がんは、全体で98.4%。ステージI、ステージII、ステージIIIで5年生存率は100%となりました。一方で、膵臓がんの5年生存率は、全体で10.0%という結果になりました。
画像はリリースより
生存率は、年齢、手術の有無、他の病気の有無など、さまざまな要素の影響を受けます。今回の集計の対象となった医療施設では、高齢者患者さんの多い・少ない、他の病気をもつ患者さんの多い・少ないなど、施設によってさまざまです。国立がん研究センターは、今回の結果からそれぞれの施設の治療の善し悪しは決められないので注意してほしい、としています。