腎細胞がんに対するアベルマブとアキシチニブの併用療法、無増悪生存期間を改善

2018/10/02

文:がん+編集部

 未治療の腎細胞がんを対象とした第3相試験で、免疫チェックポイント阻害薬「アベルマブ」と血管新生阻害薬「アキシチニブ」の併用療法が無増悪生存期間を有意に改善したと発表されました。

PD-L1陽性を問わず全患者グループで無増悪生存期間を改善

  ファイザー株式会社メルクセローノ株式会社は10月1日、未治療の進行腎細胞がんを対象としたアベルマブ(製品名:バベンチオ)アキシチニブ(製品名:インライタ)の併用療法とスニチニブ(製品名:スーテント)の単剤投与を比較した第3相試験JAVELIN Renal 101」の中間解析の結果を発表しました。

 JAVELIN臨床開発プログラムは、8つの第3相試験を含む30以上の臨床プログラムがあり、15種以上のがん種で8600人以上の患者さんが登録されています。登録がん種は、腎細胞がんのほか、乳がん/食道接合部がん、頭頸部がんホジキンリンパ腫悪性黒色腫中皮腫メルケル細胞がん非小細胞がん卵巣がん尿路上皮がんなどです。

 アベルマブは、PD-L1を選択的に阻害する抗PD-L1抗体薬で、免疫チェックポイント阻害薬といわれる薬です。がん細胞の表面に発現しているPD-L1とがん細胞を攻撃する免疫細胞(T細胞)に発現しているPD-1が結合すると、免疫細胞はがん細胞を攻撃しなくなってしまいます。アベルマブは、PD-L1に結合することで、この抑制作用を抑え、免疫細胞本来の力でがん細胞を攻撃します。

 本試験の主要評価項目の1つであるPD-L1陽性(1%以上)の患者サブグループと%副次的評価項目であるPD-L1発現を問わない全患者群でも無増悪生存期間(PFS)※1が改善したそうです。もう1つの主要評価項目である全生存期間(OS)※2については、最終解析に向けて試験を継続中で、安全性が懸念される未知の副作用は報告されていません。

 ファイザーのグローバル製品開発部門の腫瘍免疫、早期開発およびトランスレーショナル・オンコロジー領域担当シニア・ヴァイス・プレジデントのChris Boshoff医学博士は「AVELIN Renal 101は、免疫チェックポイント阻害剤とチロシンキナーゼ阻害剤の併用投与で肯定的結果が得られた初の第3相試験であり、進行腎細胞がんを対象とした新たな治療アプローチとして、アベルマブとインライタの可能性を裏付けるものです。今回の肯定的結果は、私たちが腎細胞がんの標準治療の前進を目指して長年取り組んできたことの証といえるでしょう。今回の試験結果については、今後、保健当局と詳細な協議を行う予定です」とコメントしています。

※1 奏効例(完全または30%の部分消失)で治療中にがんが進行せず安定した状態の期間のことです。
※2 患者さんの亡くなった原因ががんによるかどうかは関係なく、生存していた期間のことです。