相談:ステージ4の乳がん、エンハーツの治療は受けられませんか?
家族がHER2陽性、ステージ4の乳がんと診断されました。一次治療としてパージェタとハーセプチンの併用療法を受け、原発巣のがんはなくなったようですが、まだ、骨と肝臓への転移はあります。今のままの薬で治療を続けるよりも、延命が期待できそうなエンハーツの治療が受けられないのかと悩んでおります。(家族、男性)
回答:エンハーツ、「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」で2020年3月に承認
日本乳癌学会の「乳癌診療ガイドライン」によると、乳がんの治療のポイントは以下の通りです。
遠隔臓器に転移・再発した乳がんの治療に関して
遠隔臓器に転移・再発した乳がんは、患者さんごとの多様な背景のうち、次の3つの因子を考慮して全身治療として薬物療法が行われます。...
遠隔臓器に転移・再発した乳がんの治療に関して
遠隔臓器に転移・再発した乳がんは、患者さんごとの多様な背景のうち、次の3つの因子を考慮して全身治療として薬物療法が行われます。...
・患者さんの個別性
・エビデンス(科学的根拠)
・患者さんの希望
患者さんの「個別性」とは、ホルモンの陽性/陰性、HER2の陽性/陰性など乳がんの性質で分類したサブタイプ分類、転移した部位(臓器)と広がり、再発までの期間、術後に行った薬物療法、現在の症状などです。
HER2陽性転移・再発乳がんに対する二次治療
・ハーセプチンの治療中もしくは治療後に病勢が進行したHER2陽性転移・再発乳がんに対する二次治療では、トラスツズマブ エムタンシン(カドサイラ)による治療が強く推奨されています
・ハーセプチン+化学療法による治療は弱く推奨されています
・タイケルブ+カペシタビンの併用療法は行わないことが弱く推奨されています
エンハーツに関して
乳癌診療ガイドライン2018年版〔追補2019〕では、「HER2陽性転移・再発乳がんに対する二次治療」として、まだエンハーツは記載されていませんが、エンハーツは「化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」の効能・効果で承認されています。
病態はそれぞれの患者さんで異なります。今後の治療方針など担当医の先生とご相談なさってみてください。
参考情報:
乳癌診療ガイドライン薬物療法 2転移・再発乳癌 総説
https://jbcs.xsrv.jp/guidline/2018/index/yakubutu/y2/
乳癌診療ガイドライン薬物療法 2転移・再発乳癌「HER2陽性転移・再発乳癌に対する二次治療で推奨される治療は何か?」
https://jbcs.xsrv.jp/guidline/2018/index/yakubutu/y2-cq-23/
独立行政法人医薬品医療機器総合機構 医療用医薬品詳細表示「エンハーツ」
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/430574_4291452D1029_1_05
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