基礎知識
マントル細胞リンパ腫とは
マントル細胞リンパ腫は、リンパ節の濾胞内でB細胞が成熟する胚中心の周りにあるマントル帯に異常なB細胞が増える悪性リンパ腫です。非ホジキンリンパ腫の1つで、低悪性度の成熟B細胞腫瘍に分類されます。
発生頻度は、悪性リンパ腫の3%程度です。発生年齢の中央値は60歳半ばで、男性に多い傾向にあります。約90%はステージ3~4の進行期で発見されています。
リンパ形質細胞性リンパ腫の進行は、一般的に緩やかで、生存期間の中央値は5~10年以上とされています。
マントル細胞リンパ腫の特徴と症状
マントル細胞リンパ腫で最も多くみられる症状は、痛みのないリンパ節の腫れやしこりです。表在リンパ節腫大以外に70%程度は節外病変があり、骨髄浸潤は半数以上、脾腫は30%以上、消化管浸潤も30%以上で認められています。
また、全身症状として、B症状と呼ばれる「発熱、寝汗、体重減少」などが起こることがあります。
参考文献:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版
細胞の分子生物学 第6版. Bruce Alberts [ほか] 著 ; 青山聖子 [ほか] 翻訳.ニュートンプレス, 2017.