検査・診断
マントル細胞リンパ腫の検査
マントル細胞リンパ腫の疑いがある場合は、問診、触診、血液検査、画像検査、骨髄検査、リンパ節生検などが行われます。
問診では貧血や寝汗などの症状が確認され、触診ではリンパ節や肝臓や脾臓の腫れ、痛みの有無が確認されます。
血液検査では白血球やリンパ球の増加が確認され、骨髄検査では骨髄中のB細胞の数や形、骨髄への浸潤などが確認されます。
限局期と進行期では治療選択が異なるため、病変の広がりの程度を調べる目的でPET-CTや上下部内視鏡検査が行われます。
マントル細胞リンパ腫のステージ分類
非ホジキンリンパ腫に対するステージ分類は、ホジキンリンパ腫用に開発されたAnn Arbor分類が用いられます。
Ann Arbor分類
1期 | 単独リンパ節領域の病変 またはリンパ節病変を欠く単独リンパ外臓器または部位の限局性病変 |
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2期 | 横隔膜の同側にある2つ以上のリンパ節領域の病変 または所属リンパ節病変と関連している単独リンパ外臓器または部位の限局性病変で、横隔膜の同側にあるその他のリンパ節領域の病変によらない |
3期 | 横隔膜の両側にあるリンパ節領域の病変 それはさらに隣接するリンパ節病変と関連しているリンパ外進展を伴う、または脾臓病変を伴う、あるいはその両者を伴う |
4期 | 1つ以上のリンパ外臓器のびまん性または播種性病変で、関連するリンパ節病変の有無を問わない または隣接する所属リンパ節病変を欠く孤立したリンパ外臓器病変であるが、離れた部位の病変を併せ持つ |
マントル細胞リンパ腫の予後因子
マントル細胞腫の予後因子は、「年齢」「全身状態」「血清LD」「末梢血白血球数」です。これら4つの因子をスコア化し、その合算で「低リスク」「中リスク」「高リスク」の3つに分類されます。
合計が、3点までが「低リスク」、4~5点が「中リスク」、6~11点を「高リスク」とされます。
マントル細胞腫の予後因子指標MIPI
ポイント | 年齢 | 全身状態 | 血清LD | 末梢血白血球数 |
0 | 50歳未満 | 0~1 | 0.67未満 | 6.700未満 |
1 | 50~59歳 | ― | 0.67~0.99 | 6.700~9.999 |
2 | 60~69歳 | 2~4 | 1.000~1.49 | 1.000~14.999 |
3 | 70歳以上 | ― | 1.5000以上 | 15000以上 |
参考文献:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版