初発治療
ステージ1~2のマントル細胞リンパ腫の治療選択
ステージ1~2のマントル細胞リンパ腫では、PET-CT、上部内視鏡などの検査により限局期であることが慎重に判断されます。
限局期と診断された場合は、放射線治療または放射線治療+化学療法が推奨されています。また、進行が緩やかな患者さんに対しては、無治療経過観察も選択肢として推奨されています。
初回治療後に完全奏効または部分奏効が認められた場合は、経過観察となりますが、安定または進行した患者さんは、再発・再燃の治療が行われます。
ステージ3~4のマントル細胞リンパ腫の治療選択
進行期と診断された場合は、経過観察、化学療法、臨床試験のいずれかが選択されます。
若年者(65歳以下)の進行期と診断された患者さんの初回治療では、リツキシマブ+大量シタラビン療法を含んだ導入療法が行われ、奏効が認められた場合は、自家移植併用大量化学療法による地固め療法とリツキシマブ維持療法が推奨されています。
高齢者(66歳以上)で、強力化学療法の適応とならない患者さんに対しては、BR療法、R-CHOP療法、VR-CAP療法が推奨されており、R-CHOP療法で奏効が認められた場合は、リツキシマブ維持療法が推奨されています。また、若年者(65歳以下)でも強力化学療法の適応とならない患者さんに対しては、同様の治療が推奨されています。
強力化学療法が適応とならない患者さんに対する化学療法
BR療法:ベンダムスチン+リツキシマブ
R-CHOP療法:リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾロン
VR-CAP療法:ボルテゾミブ+リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾロン
参考文献:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版