初発治療
鼻腔周辺原発節外性NK/T細胞リンパ腫の治療選択
鼻腔周辺原発で病変が頸部リンパ節までにとどまっている場合では、RT-2/3DeVIC療法が推奨されています。RT-2/3DeVIC療法により完全奏効が認められた場合は、経過観察が推奨されており、患者さんの病態により臨床試験も治療選択の1つとして考慮されます。
部分奏効以下となった場合は、患者さんの病態によりL-アスパラギナーゼを含む化学療法も治療選択として考慮されますが、現時点ではそのうちSMILE療法が最も推奨されています。
鼻腔周辺原発節外性NK/T細胞リンパ腫の治療
節外性NK/T細胞リンパ腫では、CHOP療法(シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾロン)の有効性が低いため、初回治療として行われるRT-2/3DeVIC療法が推奨されています。RT-2/3DeVIC療法は、放射線治療と多剤併用化学療法(デキサメタゾン+エトポシド+イホスファミド+カルボプラチン)を併用した同時放射線治療です。臨床試験では、放射線治療単独と比較して全生存期間の改善と安全性が認められました。
RT-2/3DeVIC療法で部分奏効以下となった場合に行われるSMILE療法(デキサメタゾン+メトトレキサート+イホスファミド+L-アスパラギナーゼ+エトポシド)は、多剤耐性に関わるP糖タンパク質の影響を受けない薬剤を主体とする多剤併用化学療法です。年齢15~69歳、全身状態 0~2の初発ステージ4、初回治療後再発/治療抵抗性の患者さんを対象として行われた臨床試験では、既存の治療成績と比較して優れた完全奏効割合や1年生存率が認められました。
参考文献:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版