検査・診断
節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型の検査
節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型の疑いがある場合は、腫れているリンパ節などから病変の組織を採取し組織検査が行われます。
腫瘍の広がりを調べるために、CT、PET-CT、MRI、内視鏡などの画像検査や、骨髄への浸潤を調べるために骨髄検査が行われます。
節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型のステージ分類
非ホジキンリンパ腫に対するステージ分類は、ホジキンリンパ腫用に開発されたAnn Arbor分類が用いられていましたが、2014年にAnn Arbor分類の補正版としてLugano分類が作成されました。節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型のステージ分類ではLugano分類が用いられることが多く、ステージ1~2が限局期、ステージ3~4が進行期に分類されます。
Lugano分類(2014)(リンパ節を原発とする悪性リンパ腫のための改訂病期分類)
病期 | 病変部位 | 節外病変の状態 | |
限局期 | 1期 | 1つのリンパ節病変 または隣接するリンパ節病変の集合 | リンパ節病変を伴わない単独のリンパ外臓器の病変 |
---|---|---|---|
2期 | 横隔膜の同側にある2つ以上のリンパ節病変の集合 | リンパ節病変の進展による、限局性かつリンパ節病変と連続性のある節外臓器の病変を伴う1期または2期 | |
2期 bulky | bulky※病変を伴う2期 | 該当なし | |
進行期 | 3期 | 横隔膜の両側にある複数のリンパ節病変または脾臓病変を伴う横隔膜の上側の複数のリンパ節病変 | 該当なし |
4期 | リンパ節病変に加えてそれとは非連続性のリンパ外臓器の病変 | 該当なし |
節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型の予後因子
節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型の予後因子として、「PINK」と「PINK-E」という予後予測モデルが提唱されています。
PINKは、「年齢(60歳を超える)」「ステージ(3または4)」「遠隔リンパ節への病変の広がり(あり)」「鼻腔外原発」の4つの因子をそれぞれ1点としてスコア化し、その合算で「低リスク」「中リスク」「高リスク」の3つに分類されます。合計0点が「低リスク」、1点が「中リスク」、2~4点が「高リスク」とされます。
PINK予後予測モデル
予後因子 | 条件 |
年齢 | 60歳を超える |
ステージ | 3または4 |
遠隔リンパ節病変 | あり |
原発巣 | 鼻腔外原発 |
予後因子数 | リスク |
0 | 低リスク |
1 | 中リスク |
2~4 | 高リスク |
PINK-Eは、PINKの4つの因子に「EBウイルス遺伝子(検出)」を加えた予後予測モデルです。合計0~1点が「低リスク」、2点が「中リスク」、3~5点が「高リスク」とされます。
PINK-E予後予測モデル
予後因子 | 条件 |
年齢 | 60歳を超える |
ステージ | 3または4 |
遠隔リンパ節病変 | あり |
原発巣 | 鼻腔外原発 |
EBウイルス遺伝子 | 検出 |
予後因子数 | リスク |
0~1 | 低リスク |
2 | 中リスク |
3~5 | 高リスク |
参考文献:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版