基礎知識
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫とは
悪性リンパ腫の特徴として、リンパ球の1つであるB細胞ががん化し、特定の一か所ではなく広範囲に広がって増殖していくことが挙げられ、この増殖の様子を「びまん性」といいます。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は、悪性リンパ腫のうち非ホジキンリンパ腫に分類され、日本では非ホジキンリンパ腫の30%以上を占める発生率の高い病型です。「BCL6」「BCL2」「c-MYC」という遺伝子に異常が認められることが多くあります。
リンパ節に発生する場合もあれば、リンパ節以外のリンパ系臓器に発生する場合もあります。ほかの低悪性度のB細胞型リンパ腫から組織転換することもあり、さまざまな種類(サブタイプ)があります。
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫のサブタイプ
T細胞/組織球豊富型大細胞型B細胞リンパ腫 |
原発性中枢神経系びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 |
原発性皮膚びまん性大細胞型B細胞リンパ腫・下肢型 |
EBV陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫・非特異型 |
原発性縦隔(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫 |
血管内大細胞型B細胞リンパ腫 |
慢性炎症関連びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 |
リンパ腫様肉芽腫症 |
ALK陽性大細胞型B細胞リンパ腫 |
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の症状
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は、全身のリンパ節やリンパ系臓器から発生するため、発生した部位により症状は異なります。例えば、発生部位が胃の場合は胃潰瘍による出血、脳の中枢神経系で発生した場合は身体にまひが起こることもあります。
全身症状では、「衣服が濡れるくらいの寝汗」「体重減少」「原因不明の発熱」などの、「B症状」とよばれる症状が特徴です。
参考文献:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版