治療
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の治療
限局期の治療選択
ステージ1または2(限局期)では、腫瘍の大きさが最大10cmを超えない場合、もしくは、「Bulky mass(縦隔病変の横幅が胸郭内径の3分の1以上)」がない場合は、R-CHOP療法3コースを行った後に、病変のあった部位に放射線を照射する「IFRT」による放射線療法、または、R-CHOP療法6~8コースのいずれかが選択されます。Bulky massがあった場合は、R-CHOP療法6~8コースが推奨されます。
治療により完全奏効が得られた場合は、無治療経過観察となります。部分奏効が得られた場合は、IFRTの照射部分に病変が残っていれば、照射線量を合計50Gyまで追加でIFRTが行われます。また、R-CHOP療法6~8コースの治療後に部分奏効が得られ、残った病変が限局している場合は、IFRTが行われます。部分奏効も得られなかった場合は、救援化学療法が選択されますが、救援化学療法が行えないときはIFRTが行われます。

出典:一般社団法人日本血液学会編. ”造血器腫瘍診療ガイドライン 2018年版”.金原出版、2018. 第II章 リンパ腫、II リンパ腫、悪性リンパ腫 5 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫「アルゴリズム」より作成
進行期の治療選択
ステージ3または4(進行期)のCD20陽性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫では、R-CHOP療法6~8コースが標準治療です。治療前に病変、特にBulky massがあった部位に対しては化学療法後にIFRTによる追加治療も考慮されます。
治療により完全奏効が得られた場合は、無治療経過観察です。得られたのが部分奏効で、救援化学療法が困難な患者さんでは、残存病変が1照射内の場合、IFRTを行った後、無治療経過観察となります。部分奏効も得られなかった場合は、二次治療となります。

出典:一般社団法人日本血液学会編. ”造血器腫瘍診療ガイドライン 2018年版”.金原出版、2018. 第II章 リンパ腫、II リンパ腫、悪性リンパ腫 5 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫「アルゴリズム」より作成
参考文献:一般社団法人日本血液学会編. ”造血器腫瘍診療ガイドライン 2018年版”.金原出版、2018.