増悪後治療
限局性胃節外性辺縁帯リンパ腫の増悪後治療選択
限局性胃節外性辺縁帯リンパ腫の初回治療後に増悪した場合は、進行期節性辺縁帯リンパ腫および節外性辺縁帯リンパ腫に準じた治療が行われます。
症状(血球減少、臓器障害、巨大腫瘍および急速な進行)がなければ無治療経過観察となりますが、その後増悪した場合や症状がある場合は、臨床試験への参加、リツキシマブ単剤、リツキシマブ+化学療法のいずれかが病態に応じて検討されます。
さらに、増悪した場合は、リツキシマブ+投与歴のない化学療法、リツキシマブ+レナリドミド、放射免疫療法のいずれかが病態に応じて選択されます。悪性リンパ腫に対する放射免疫療法は、抗CD20抗体に治療用の放射性核種が付加された抗体薬を使った治療法です。がん細胞に発現しているCD20抗体に結合し、付加された放射性核種から照射される放射線によりがん細胞を破壊します。
組織学的に形質転化した場合は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に準じた治療が推奨されており、R-CHOP療法もしくはアンスラサイクリン系抗がん剤を含むCHOP療法などが行われます。
辺縁帯リンパ腫(限局期胃節外性辺縁帯リンパ腫を除く)の増悪後治療選択
辺縁帯リンパ腫(限局期胃節外性辺縁帯リンパ腫を除く)の初回治療後に増悪した場合は、臨床試験への参加、リツキシマブ+化学療法±リツキシマブ維持療法、リツキシマブ単剤のいずれから病態に応じて選択されます。
さらに、増悪した場合は、リツキシマブ+投与歴のない化学療法、リツキシマブ+レナリドミド、放射免疫療法のいずれかが病態に応じて選択されます。
組織学的に形質転化した場合は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に準じた治療が推奨されており、R-CHOP療法もしくはアンスラサイクリン系抗がん剤を含むCHOP療法などが行われます。
脾辺縁帯リンパ腫の増悪後治療選択
脾辺縁帯リンパ腫の初回治療後に増悪した場合は、脾臓を摘出していなければ脾臓の摘出、あるいは緩和的放射線治療が選択されます。リツキシマブ単剤による治療を受けていなければ、リツキシマブ単剤が選択されます。
その後は、進行期節性辺縁帯リンパ腫および節外性辺縁帯リンパ腫に準じた治療が行われます。
症状(血球減少、臓器霜害、巨大腫瘍および急速な進行)がなければ無治療経過観察となりますが、その後増悪した場合や症状がある場合は、臨床試験への参加、リツキシマブ単剤、リツキシマブ+化学療法のいずれかが病態に応じて検討されます。
参考文献:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版