基礎知識

多発性骨髄腫の類縁疾患とは

 血液細胞は、元は「造血幹細胞」という1つの同じ細胞から作られ、骨髄系とリンパ系の2種類に分化します。骨髄系は赤血球、血小板、顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)、単球に分化し、リンパ系はB細胞、T細胞、NK細胞などのリンパ球に分化します。血液がんは、この血液細胞の分化と成熟の過程でがん化し、異常な細胞が増殖し発症する病気です。分化のどの過程で異常が起こるかで、血液がんの種類が異なります。

 多発性骨髄腫は、免疫細胞(リンパ球)の仲間であるB細胞が成熟してできる「形質細胞」ががん化して骨髄腫細胞となり、増殖することで正常な造血機能が抑制され、血球が減少してさまざまな症状が起こる形質細胞腫瘍の病型の1つです。具体的には、高カルシウム血症、腎障害、貧血、骨病変などの症状が起きます。

 多発性骨髄腫に類似した疾患として、「孤立性形質細胞腫」「ALアミロイドーシス」「POEMS症候群」などがあります。

参考文献:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版

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