形質細胞腫瘍を知る
形質細胞腫瘍は、異常な形質細胞や骨髄腫細胞が、骨や軟部組織で腫瘍を形成する病気です。形質細胞とは、細菌やウイルスが侵入することで、免疫細胞(リンパ球)の仲間であるB細胞が変化した細胞です。形質細胞は、侵入した細菌やウイルスを攻撃する「抗体」を作り出す役割を持っています。異常が起きた形質細胞は、「Mタンパク」という抗体を作り出しますが、この抗体は、細菌やウイルスを攻撃することができません。Mタンパクは、やがて骨髄内に蓄積していき、血液の粘度を高めたり、腎臓など多臓器に損傷を与えたりするようになります。
形質細胞腫瘍には、良性のものと悪性のものがあります。悪性の形質細胞腫腫瘍には、リンパ形質細胞性リンパ腫や、形質細胞腫、多発性骨髄腫などがあります。
形質細胞腫瘍の種類
非IgM型意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症 |
IgM型意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症 |
軽鎖型意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症 |
孤立性形質細胞腫(骨の/軟部組織の) |
微小骨髄浸潤を有する孤立性形質細胞腫(骨の/軟部組織の) |
くすぶり型(無症候性)多発性骨髄腫 |
(症候性)多発性骨髄腫(分泌型/非分泌型) |
多発性形質細胞腫 |
形質細胞白血病 |
POEMS症候群 |
全身性ALアミロイドーシス |
参考文献:PDQ最新がん情報 形質細胞腫瘍(多発性骨髄腫を含む)の治療
一般社団法人日本血液学会編. ”造血器腫瘍診療ガイドライン 2018年版”.金原出版、2018.
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