相談:前立腺がん全摘後の再発に対する放射線治療、従来の3D照射とSBRTどちらが良いか
58歳のときに前立腺がんと診断され、全摘手術を受けました。術後4年が経過し、PSA値が最近0.2に近づいてきました。根治的全摘手術と思っていたのですが、「全摘手術でも35~50%くらい再発する」というデータを見て、仕方のないことなのかと考えています。
PSA再発と考えた場合、3つのことを懸念しています。1つ目は、臨床症状がなければPSA値0.5まで上がらないと、再発部位が見つからないことも多いと聞いていますが、そこまで待っていていいのでしょうか。2つ目は、平均何年で全摘していても再発する傾向なのかということです。3つ目は、体幹部定位放射線療法(SBRT)の治療選択についてです。従来の放射線療法とSBRTとでは、副作用に差はなく、従来の放射線療法は360度照射するのに対し、SBRTは週5回、高線量を左右から当てると話している医師の動画をインターネットで見ました。私は自営業で、従業員や家族を守らなければならない立場のため、週5回のSBRTを選びたいと考えています。よろしくお願いいたします。
(本人、男性)
回答:IMRT/VMATの照射技術で1回当たりの放射線照射量を多くする代わりに計5回の照射で治療を完遂するのがSBRT
前立腺がんに関して、がんプラスに掲載されている記事から、ポイントをご案内します。
根治的治療後の前立腺がんの再発とは
・根治的治療後の前立腺がんの再発には、PSA再発と臨床的再発の2つがあります
・PSA再発は、治療後のPSA値の上昇のみで判定します。...
根治的治療後の前立腺がんの再発とは
・根治的治療後の前立腺がんの再発には、PSA再発と臨床的再発の2つがあります
・PSA再発は、治療後のPSA値の上昇のみで判定します。...
ただし、この判定の段階では多くの場合、再発した部位を特定できません
・画像診断や組織学的検査で再発部位を特定できたものを臨床的再発と呼び、この段階で、前立腺周辺での局所再発か他臓器への転移かの判定が可能となります
・根治的治療の後、どのくらいの頻度でPSA再発が起こるかについては、EAU(欧州泌尿器学会)のガイドラインによると27~53%とされています
・PSA値がどの程度上昇したらPSA再発と判定するかについては、初回治療の方法によって異なります
・根治的全摘除術後では、経過観察中に2回の検査で連続してPSA値が0.2ng/ml以上になった場合に、PSA再発と判定されます
・根治的全摘除後にPSA値0.2ng/ml以上となりPSA再発と判定された時点では、どの部位に再発があるのか、局所再発なのか遠隔転移なのかがわからないため、臨床的再発の判断ができません
・一般に、画像上にがんが見つけられるのはPSA値が5.0ng/mlぐらいからといわれています
根治的全摘除後にPSA再発と判定された場合の治療選択
・根治的全摘除後にPSA再発と判定された場合の治療選択肢は、「救済放射線療法」「救済ホルモン療法」「治療をしないで様子を見る経過観察」の3つがあります
・PSA再発後に積極的な二次治療をしなくても、転移や前立腺がんが原因では亡くならない患者さんがかなりの割合で存在します
・EAUのガイドラインによれば、PSA再発後の長期の経過観察で転移する人は、23~34%に留まっています
・再発と判断して治療を開始すると、副作用や合併症など有害事象を招く可能性があり、それによって機能障害やQOL(生活の質)の低下を招く心配もあります
高リスクの患者さんには積極的な二次治療
・高リスクの患者さんには積極的な二次治療が検討されます
・根治的全摘除術を受けた場合のリスク因子を1つ以上もつ患者さんに対しては、二次治療として放射線療法かホルモン療法が検討されます
・リスク因子は、「PSA値倍加時間<3か月」「前立腺全摘除標本で精嚢浸潤(pT3b)」「前立腺全摘除標本でグリソンスコア8~10」「手術からPSA再発まで<3年」です
・局所再発の場合は放射線療法が、遠隔転移がある場合はホルモン療法が行われるのが一般的です
・現状では再発部位を特定するのは困難であるため、標準治療は確立していません
・現在、推奨されているのは、もともと前立腺が存在した部位に対する放射線療法です
・放射線療法を開始するタイミングは、PSA値が0.5ng/ml未満の段階で行うと治療成績がよいとの報告があり、一般的に0.2~0.5ng/mlの間ぐらいで治療が行われます
前立腺がんに対する放射線治療
・前立腺がんに対する放射線治療は、内照射と外照射の2つがあります
・内照射は、放射線の線源を体内に入れ照射する方法で、小線源療法といいます
・外照射は、体の外から放射線を照射する方法で、「3次元原体照射(3D-CRT)」「強度変調放射線治療(IMRT)」「強度変調回転放射線治療(VMAT)」「体幹部定位放射線療法(SBRT)」などがあります
・IMRT/VMATは、不整形のがん病巣の形に合わせて放射線をできるだけ集中させて照射する治療技術で、副作用を抑えつつ治療効果を向上させることが期待できます
・IMRT/VMATを利用した最も一般的に行われている治療法が「通常分割法」で、1回当たりに少ない放射線照射量を平日毎日、約2か月続けて照射する治療法です
・IMRT/VMATの照射技術を使い、1回当たりの放射線照射量を多くする代わりに合計5回の照射で治療を完遂させるのが、SBRTです
参考記事:
がんプラス 根治的治療後に再発した前立腺がんの治療は、リスク因子、合併症を考慮し、経過観察も重要な選択肢とする
https://cancer.qlife.jp/prostate/prostate_feature/article2776.html
がんプラス 前立腺がん患者さんが体幹部定位放射線療法(SBRT)を選択する理由とは
https://cancer.qlife.jp/prostate/prostate_feature/article8755.html
・画像診断や組織学的検査で再発部位を特定できたものを臨床的再発と呼び、この段階で、前立腺周辺での局所再発か他臓器への転移かの判定が可能となります
・根治的治療の後、どのくらいの頻度でPSA再発が起こるかについては、EAU(欧州泌尿器学会)のガイドラインによると27~53%とされています
・PSA値がどの程度上昇したらPSA再発と判定するかについては、初回治療の方法によって異なります
・根治的全摘除術後では、経過観察中に2回の検査で連続してPSA値が0.2ng/ml以上になった場合に、PSA再発と判定されます
・根治的全摘除後にPSA値0.2ng/ml以上となりPSA再発と判定された時点では、どの部位に再発があるのか、局所再発なのか遠隔転移なのかがわからないため、臨床的再発の判断ができません
・一般に、画像上にがんが見つけられるのはPSA値が5.0ng/mlぐらいからといわれています
根治的全摘除後にPSA再発と判定された場合の治療選択
・根治的全摘除後にPSA再発と判定された場合の治療選択肢は、「救済放射線療法」「救済ホルモン療法」「治療をしないで様子を見る経過観察」の3つがあります
・PSA再発後に積極的な二次治療をしなくても、転移や前立腺がんが原因では亡くならない患者さんがかなりの割合で存在します
・EAUのガイドラインによれば、PSA再発後の長期の経過観察で転移する人は、23~34%に留まっています
・再発と判断して治療を開始すると、副作用や合併症など有害事象を招く可能性があり、それによって機能障害やQOL(生活の質)の低下を招く心配もあります
高リスクの患者さんには積極的な二次治療
・高リスクの患者さんには積極的な二次治療が検討されます
・根治的全摘除術を受けた場合のリスク因子を1つ以上もつ患者さんに対しては、二次治療として放射線療法かホルモン療法が検討されます
・リスク因子は、「PSA値倍加時間<3か月」「前立腺全摘除標本で精嚢浸潤(pT3b)」「前立腺全摘除標本でグリソンスコア8~10」「手術からPSA再発まで<3年」です
・局所再発の場合は放射線療法が、遠隔転移がある場合はホルモン療法が行われるのが一般的です
・現状では再発部位を特定するのは困難であるため、標準治療は確立していません
・現在、推奨されているのは、もともと前立腺が存在した部位に対する放射線療法です
・放射線療法を開始するタイミングは、PSA値が0.5ng/ml未満の段階で行うと治療成績がよいとの報告があり、一般的に0.2~0.5ng/mlの間ぐらいで治療が行われます
前立腺がんに対する放射線治療
・前立腺がんに対する放射線治療は、内照射と外照射の2つがあります
・内照射は、放射線の線源を体内に入れ照射する方法で、小線源療法といいます
・外照射は、体の外から放射線を照射する方法で、「3次元原体照射(3D-CRT)」「強度変調放射線治療(IMRT)」「強度変調回転放射線治療(VMAT)」「体幹部定位放射線療法(SBRT)」などがあります
・IMRT/VMATは、不整形のがん病巣の形に合わせて放射線をできるだけ集中させて照射する治療技術で、副作用を抑えつつ治療効果を向上させることが期待できます
・IMRT/VMATを利用した最も一般的に行われている治療法が「通常分割法」で、1回当たりに少ない放射線照射量を平日毎日、約2か月続けて照射する治療法です
・IMRT/VMATの照射技術を使い、1回当たりの放射線照射量を多くする代わりに合計5回の照射で治療を完遂させるのが、SBRTです
参考記事:
がんプラス 根治的治療後に再発した前立腺がんの治療は、リスク因子、合併症を考慮し、経過観察も重要な選択肢とする
https://cancer.qlife.jp/prostate/prostate_feature/article2776.html
がんプラス 前立腺がん患者さんが体幹部定位放射線療法(SBRT)を選択する理由とは
https://cancer.qlife.jp/prostate/prostate_feature/article8755.html
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