相談:前立腺がん全摘後のPSA再発、ホルモン療法が良いのでしょうか

再発 放射線治療 ホルモン療法 治療選択

家族が前立腺がんになり、1年前の春に全摘しました。リンパ節に2つの転移が見つかっていましたが、術後のPSA値は安定していました。ところが今年の春から徐々にPSA値が上がり始め、6月0.55、7月0.70となり、再発と診断されたため、治療が始まるところです。術後のリンパ節転移の時点で、救済治療ができなかったものかと悔やまれます。患者本人は51歳ですが、進行は早いでしょうか?これからの治療は、ホルモン治療が一番良いのでしょうか?

(家族、女性)

回答:局所再発なら放射線療法、遠隔転移があればホルモン療法が一般的

前立腺がんに関して、がんプラスに掲載されている記事から、ポイントをご案内します。

根治的治療後の前立腺がんの再発
・根治的治療後の前立腺がんの再発には、生化学的再発(PSA再発)と臨床的再発の2つがあります
・PSA再発は、治療後のPSA値の上昇により判定されます
・臨床的再発は、画像診断や組織学的検査で再発部位が特定された場合に判定されます

前立腺がんのPSA再発
・根治的前立腺全摘除術の術後1か月以上経過した時点で、PSA値が0.2ng/ml未満ならPSA再発と判定されません
・その後の経過で2~4週間の間隔をあけた後に測定したPSA値が、2回連続して0.2ng/ml以上となった場合にPSA再発と判定されます

PSA再発に対する治療
・根治的前立腺全摘除術後のPSA再発に対する治療は、救済放射線療法、救済ホルモン療法、経過観察の3つから選択されます
・PSA再発後に積極的な二次治療をしなくても、転移や前立腺がんによる死亡に至らない患者さんがかなりの割合で存在するため、経過観察も重要な選択肢の1つとなります
・リスク因子がある患者さんに対しては、積極的な二次治療が行われます
・局所再発なら放射線療法が、遠隔転移があればホルモン療法が行われるのが一般的です
・PSA再発では、再発部位を特定するのが困難なため、標準治療は確立していないのが現状です
・現在、推奨されているのは、もともと前立腺が存在した部位に対する放射線療法です
・放射線療法で効果が認められない場合は、ホルモン療法が行われます
・放射線療法を希望しない場合は、二次治療の最初からホルモン療法が行われます

二次治療を積極的に検討するリスク因子
・PSA値倍加時間(PSA値が元の値に比べて2倍になるまでの時間)が、3か月未満
・進展度がT3b
・グリソンスコア8~10
・手術からPSA再発まで3年未満

参考記事:がんプラス 根治的治療後に再発した前立腺がんの治療は、リスク因子、合併症を考慮し、経過観察も重要な選択肢
https://cancer.qlife.jp/prostate/prostate_feature/article2776.html
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