NTRK遺伝子融合がある固形がんに対する新薬 FDA優先審査品目に指定

文:がん+編集部

 NTRK遺伝子融合がある肺がん、乳がん、大腸がんのほか、さまざまな固形がん(年齢問わず)に対する新薬が米国食品医薬品局(FDA)の優先審査品目に指定されました。

がん種・年齢問わず、NTRK遺伝子融合がある固形がんへの効果に期待

 独バイエル社は5月29日、米ロクソ・オンコロジー社がLarotrectinib(ラロトレクチニブ)について、神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体(NTRK)遺伝子融合がある、局所進行性または転移性の固形がんの成人・小児患者さんの治療薬として、米国食品医薬品局(FDA)が優先審査品目に指定したことを発表しました。

 NTRK遺伝子融合とは、トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)融合タンパク質の産生が制御できなくなる遺伝子変異のことで、腫瘍を増殖させます。TRK融合遺伝子に異常があるがんは、特定の臓器や身体の特定の部位に発生するがんではありません。肺がん乳がん大腸がんといったさまざまながんで見られます。また、成人・小児を問わず、乳腺分泌がん、唾液腺の乳腺相似分泌がん、乳児型線維肉腫といった、特定の希少腫瘍がある患者さんの60%以上が罹患している可能性があります。最近の研究結果からは、NTRK遺伝子が他の遺伝子と異常に融合することで、TRK融合タンパク質が産生され、体内のさまざまな場所で固形がんを生じることが示唆されています。ラロトレクチニブは、このTRKを標的とした新薬です。

 FDAは、審査の終了目標を2018年11月26日としたそうです。プレシジョン・メディシン(精密医療)による遺伝子異常や遺伝子に合わせた個別化医療の促進が期待されます。

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