基礎・症状

濾胞性リンパ腫とは

 細胞が集まっている、小さな袋状の構造物を濾胞(ろほう)といいます。濾胞性リンパ腫は、リンパ節内にたくさんのがん細胞が袋状に固まっている濾胞が1つ以上認められるのが特徴です。濾胞性リンパ腫は、非ホジキンリンパ腫の10~20%の割合で認められる代表的な低悪性度のB細胞系の悪性リンパ腫で、近年増加傾向にあります。病状の経過は、比較的ゆっくりと年単位で進行しますが、一般的に、再発を繰り返します。

濾胞性リンパ腫の症状

 早期の濾胞性リンパ腫は、自覚症状がありません。そのため、ほとんどの場合、病状がある程度進行してから発見されます。具体的には、頸部、胸部、腹部などのリンパ節にしこりが見つかり診断に至りますが、病変の大きさに比べ症状が軽いのが特徴です。70~85%の患者さんはステージ3~4で診断され、骨髄に浸潤していることも多くあります。

主な症状は、7つです。

1:頸部、腋窩(えきか、わきの下)、鼠径部(そけいぶ、足の付け根)の痛みのないリンパ節の腫れ
2:原因不明の発熱
3:衣服が濡れるくらいの寝汗
4:体重減少
5:疲労感
6:感染症
7:出血

 2~4の症状は、「B症状」といい病期診断で考慮されます。

参考文献:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版
ESMO/ACF 患者さんの手引きシリーズESMO診療ガイドラインに基づく濾胞性リンパ腫:患者さんの手引き.2016

最新のがん医療情報をお届けします。

無料で 会員登録
会員の方はこちら ログイン