検査・診断

濾胞性リンパ腫の検査・診断

濾胞性リンパ腫の検査

 濾胞性リンパ腫の症状がある場合は、血球(白血球、赤血球、血小板)の数を調べる血液検査が行われます。検査の結果、疑いがあればリンパ節生検が行われます。生検は、麻酔をかけ外科的にリンパ節を摘出し、行われます。リンパ節が体の深い部分にあり簡単に採取できない場合には、太い針でリンパ節の一部を採取するコア生検が行われますが、この生検は、リンパ節の摘出より精度が低いとされています。

濾胞性リンパ腫の病期

病期は、血球数や生検のほかに、病歴、視診・触診・聴診などによる所見や、胸部X線検査、頸部・胸部・腹部・骨盤CT、上部・下部消化管内視鏡による検査で決定されます。病期分類の基準は、「Ann Arbor分類」です。

Ann Arbor分類

1期単独リンパ節領域の病変
またはリンパ節病変を欠く単独リンパ外臓器または部位の限局性病変
2期横隔膜の同側にある2つ以上のリンパ節領域の病変
または所属リンパ節病変と関連している単独リンパ外臓器または部位の限局性病変で、横隔膜の同側にあるその他のリンパ節領域の病変によらない
3期横隔膜の両側にあるリンパ節領域の病変
それはさらに隣接するリンパ節病変と関連しているリンパ外進展を伴う、または脾臓病変を伴う、あるいはその両者を伴う
4期1つ以上のリンパ外臓器のびまん性または播種性病変で、関連するリンパ節病変の有無を問わない
または隣接する所属リンパ節病変を欠く孤立したリンパ外臓器病変であるが、離れた部位の病変を併せ持つ

出典:一般社団法人日本血液学会編. ”造血器腫瘍診療ガイドライン 2018年版”.金原出版、2018. 第II章 リンパ腫、II リンパ腫、悪性リンパ腫 総論「4.病期分類」より作成

濾胞性リンパ腫の予後予測

 濾胞性リンパ腫の予後予測は、濾胞性リンパ腫国際予後指標により決定されます。この指標は、「FLIPI」と「FLIPI2」の2つがあります。

濾胞性リンパ腫国際予後指標

FLIPI予後因子指標
年齢61歳以上
血清LDH正常上限を越える
ヘモグロビン値12g/dL未満
節性病変領域数5領域以上
病期3または4期
FLIPI2予後因子指標
年齢61歳以上
β2ミクログロブリン値正常上限を越える
ヘモグロビン値12g/dL未満
最大のリンパ節病変の長径6cm以上
骨髄浸潤あり
低リスク予後因子数0または1
中間リスク予後因子2
高リスク予後因子3以上

出典:一般社団法人日本血液学会編. ”造血器腫瘍診療ガイドライン 2018年版”.金原出版、2018. 第II章 リンパ腫、II リンパ腫、悪性リンパ腫 総論「5.予後因子」より作成

参考文献:一般社団法人日本血液学会編. ”造血器腫瘍診療ガイドライン 2018年版”.金原出版、2018.
ESMO/ACF 患者さんの手引きシリーズESMO診療ガイドラインに基づく”濾胞性リンパ腫:患者さんの手引き”.2016.

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