再発

急性リンパ性白血病/リンパ芽球性リンパ腫の経過観察中の検査、再発に関してご紹介します。

急性リンパ性白血病の治療後/リンパ芽球性リンパ腫の経過観察と検査

 寛解は、白血病細胞がもつ遺伝子変異を調べる精密検査を行なっても、白血病細胞が見つからない状態をいいます。

 治療により寛解が得られれば、経過観察とともに定期的な検査が行われます。病型、治療内容と効果、継続して行われる治療の有無、合併症、治療後の回復状態などにより検査の頻度は異なります。

 主な検査は、診察、血液検査、尿検査のほか、超音波検査、X線検査、CT検査、MRI検査などの画像検査です。検査結果によっては、骨髄検査や骨シンチグラフィが行われます。

急性リンパ性白血病/リンパ芽球性リンパ腫の再発

 寛解後に再発した場合、前治療歴を考慮した再寛解導入療法が行われます。晩期再発の患者さんに対しては、初回寛解導入療法と同一の治療も選択肢の1つとなります。

 再発B細胞型の急性リンパ性白血病に対しては、CD19陽性ならブリナツモマブ(製品名:ビーリンサイト)が、CD22陽性ならイノツズマブオゾガマイシン(製品名:ベスポンサ)が推奨されています。

 フィラデルフィア染色体陽性で、前治療としてイマチニブ(製品名:グリベック)による治療を受けた再発患者さんに対しては、ダサチニブ(製品名:スプリセル)もしくはポナチニブ(製品名:アイクルシグ)による治療が行われます。前治療でダサチニブによる治療を受けた患者さんに対しては、ポナチニブによる治療が行われます。

再発T細胞型の急性リンパ性白血病に対しては、ネララビンも治療選択の1つとなります。

25歳以下の単発・難治性CD19陽性B細胞型急性リンパ性白血病のうち、以下の条件に1つ該当する患者さんでは、CAR-T細胞療法「チサゲンレクルユーセル(製品名:キムリア)」が選択肢の1つとして考慮されます。

  • 標準的な化学療法を2回以上受けた初発患者さんで寛解が得られない
  • 化学療法を1回以上受けた再発患者さんで寛解が得られない
  • 同種造血幹細胞移植の適応にならない
  • 同種造血幹細胞移植後に再発した場合

参考文献:一般社団法人日本血液学会編. 造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版.金原出版

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