相談:大腸がんの肝転移、全身化学療法と同時に肝動脈(化学)塞栓療法はできますか?
大腸がんと診断されました。肝臓に転移があり、手術はできないと言われました。全身化学療法と同時に肝動脈(化学)塞栓療法は行えないのでしょうか?
(本人、男性)
回答:肝動注療法と全身薬物療法の併用療法の有効性は科学的根拠が不十分
大腸癌研究会の「大腸癌治療ガイドライン医師用2019版」によると、大腸がんの治療のポイントは以下の通りです。
・肝転移の治療は、肝切除、全身薬物療法、肝動注療法、熱凝固療法の治療選択があります
・肝転移に対し、肝動脈(化学)塞栓療法の治療選択は記載されていません
・根治切除可能な肝転移には肝切除が推奨されています
・切除不能な肝転移で全身状態が一定以上に保たれる場合は、全身薬物療法が考慮されます
・全身薬物療法が可能なら、切除不能肝転移の大腸がんに対しては肝動注療法を行わないことが強く推奨されています
・肝動注療法と全身薬物療法の併用療法も開発されており、FUDR(フロクスウリジン)肝動注療法とオキサリプラチン+5-FU+ロイコボリンを併用した全身薬物療法の臨床試験では、良好な成績は報告されています
・現在の標準的な全身薬物療法であるオキサリプラチンやイリノテカン、分子標的治療薬による多剤併用療法に対する肝動注療法または肝動注療法と全身薬物療法の併用療法の有効性は科学的根拠が不十分で確立されていないため、実施されていないのが現状です
参考情報:
大腸癌研究会 大腸癌治療ガイドライン医師用2019版 CQ24
http://www.jsccr.jp/guideline/2019/cq.html#cq24
...
・肝転移の治療は、肝切除、全身薬物療法、肝動注療法、熱凝固療法の治療選択があります
・肝転移に対し、肝動脈(化学)塞栓療法の治療選択は記載されていません
・根治切除可能な肝転移には肝切除が推奨されています
・切除不能な肝転移で全身状態が一定以上に保たれる場合は、全身薬物療法が考慮されます
・全身薬物療法が可能なら、切除不能肝転移の大腸がんに対しては肝動注療法を行わないことが強く推奨されています
・肝動注療法と全身薬物療法の併用療法も開発されており、FUDR(フロクスウリジン)肝動注療法とオキサリプラチン+5-FU+ロイコボリンを併用した全身薬物療法の臨床試験では、良好な成績は報告されています
・現在の標準的な全身薬物療法であるオキサリプラチンやイリノテカン、分子標的治療薬による多剤併用療法に対する肝動注療法または肝動注療法と全身薬物療法の併用療法の有効性は科学的根拠が不十分で確立されていないため、実施されていないのが現状です
参考情報:
大腸癌研究会 大腸癌治療ガイドライン医師用2019版 CQ24
http://www.jsccr.jp/guideline/2019/cq.html#cq24
...
医師に相談したい場合、現役医師が回答する「AskDoctors(アスクドクターズ )」の利用もおすすめです。